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オリエンタルコンサルタンツ×応用技術(中) 
盛土パターンも念入りにシステム化

 オリエンタルコンサルタンツと応用技術が「土工部ICT施工データ変換システム」(eMS)の共同開発に乗り出したのは2022年6月のことだ。応用技術の山根隆弘エンジニアリング本部営業部営業統括マネージャーは「当初はアジャイル的な手法で開発に着手したが、業務に合わせて機能を随時付加していく進め方では非効率な部分も多いと方向転換し、23年10月からは全体計画に基づいて開発を進めていくウォーターフォール手法に切り替えた」と振り返る。

 要件定義をオリエンタルコンサルタンツが担い、システム開発については応用技術が一手に引き受けてきた。応用技術のエンジニアリング本部国土創生情報部建設情報ユニットの開発担当者が「eMSの要件設定に多くの時間を費やし、どこまでの範囲をシステムでカバーするか、理想と現実の最適なバランスを突き詰めてきた」と説明するように、両社は2週間に1度のハイペースで議論を交わしてきた。

 特に注視したのは、盛り土への対応だった。オリエンタルコンサルタンツの早川典克中部支社道路部副主幹は「設計データから区間の範囲を取り出すことはシステム的に難しくなかったが、実際の作業では暫定盛り土を構築する必要がある上、盛り土自体の作り方も様々なパターンがあり、それをどこまでシステムで対応していくかを念入りに検討した」と付け加える。 両社は当初、盛り土だけに限定してシステム開発を進めてきたが、そもそも土工工事では切り土の作業も多く、システム上でもその対応が必要だった。加えて現場では小段や複数段を施工する場合もあるため、様々な状況を想定したシステムづくりにこだわってきた。

 開発を進める中で、大きな転機も訪れた。オリエンタルコンサルタンツは2024年度業務として、ある市町村からBIM/CIMデータを作成する修正設計の業務を受託した。25年度からはその設計成果をもとに土工工事が予定されていたことから、eMSを使ったICT土工用データも合わせて提供した。工事を受注した建設会社がeMSで加工したデータを活用してICT建機による施工を実現したことから、それがeMSによる初の成果になった。

 社内では、eMSの第一号業務で管理技術者を務めた早川氏が講師役となり、eMSの操作を学ぶ勉強会も進めてきた。各支社から総勢15人ほどが集まり、操作スキルを磨いた。早川氏は2025年3月のシステム開発が完了するタイミングに合わせ、eMSの使い方動画を支社ごとに分担して作ることを呼び掛け、計40分の操作動画を完成させた。「現在は少なくとも各支社で2、3人がeMSを使える体制を確保することができた」と手応えをつかんでいる。

 これまでオリエンタルコンサルタンツは業務ツールとしてeMSを活用してきた。水野耕治副中部支社支社長兼道路整備・保全事業部副事業部長は「これからは施工者や同業の建設コンサルタントにも活用してもらおうと、販売に向けた準備を進めている」と強調する。既に購入を要望する声も広がり始めており、eMSは新たな展開を迎えようとしている。

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