メガソフトが提供する建築・空間設計ソフト「3Dデザイナーシリーズ」の累計出荷ライセンス数が94万件を突破した。1996年11月に住宅設計向けの「3Dマイホームデザイナー」を発売してから間もなく30年を迎える中、同社は住宅分野で培った3DCG技術を、オフィスや医療施設、物流倉庫、土木工事などへと展開しており、今後は点群データやBIMデータへの対応を推し進め、さらなる利用領域の拡大を目指す。

発売当初の3Dマイホームデザイナーは、一般ユーザーが理想の住まいをシミュレーションするためのソフトとして登場した。その後、工務店やハウスメーカー、リフォーム事業者などが、施主への提案に用いる3Dパース作成ツールとしても活用されるようになった。こうした需要の広がりを受け、プロ向けの「3DマイホームデザイナーPROシリーズ」や、インテリアに特化した「3DインテリアデザイナーNeo」、リフォーム向けの「3D住宅リフォームデザイナー」など、用途別の製品を展開してきた。
活用領域は住宅にとどまらない。1999年にはオフィス空間の設計に対応する「3Dオフィスデザイナー2000」、2014年には医療施設向けの「3D医療施設プランナー」を発売した。2020年には物流倉庫や製造工場のレイアウト・動線確認に対応する「物流倉庫3D」、2025年には土木工事の施工手順を時系列で表現する「土木工事4D ムービーメーカー」の展開にも取り出した。空間の完成イメージを3Dで確認する用途から、施設の配置検討や施工手順の可視化まで、対象を広げている。
建材や住宅設備、家具、家電などの実在商品をもとにした3D素材を提供するダウンロードサイト「データセンター」では、登録素材が6万点を突破した。実際の商品に近い素材を使うことで、建築空間の表現や提案時のシミュレーションを支援する。
同社は今後、点群データの活用や、IFC形式のBIMデータへの対応を進める方針だ。2026年12月には農業高校向け教材として、農業・造園の3Dシミュレーションを展開する計画で、住宅やインテリアの提案を起点に広がってきた3D技術を、建設・土木・教育など、より幅広い空間活用へつなげる。
井町良明代表取締役は「これからの3Dは完成イメージを見せるだけの道具ではなく、立場や専門性を越えて課題を共有し、一緒に考えるための共通言語になっていく。AIやBIMともつながりながら誰もが空間づくりに参加できる未来を私たちは切り拓いていく」としている。
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BIMedia目線ーー3Dデザイナーシリーズの歩みは、3Dが専門技術者だけのものではなく、住まいの検討や施主への説明、施設のレイアウト確認など、さまざまな立場の人が空間を理解し、意思決定するための手段として普及してきた過程ともいえる。今後の焦点は設計・施工などの業務データと連携し、実務で使える情報へと発展させられるかどうか。点群やIFC形式のBIMデータへの対応が進めば、既存空間の把握や設計情報との連携など、活用の幅が広がる可能性がある。3Dを完成イメージを見せる道具から空間の情報を共有し、業務を支える基盤へと発展させられるか否か。そこが次の成長を左右するポイントになりそうだ。
