ONESTRUCTIONが相次ぎ発表(上)

AI基盤モデル「Ishigaki」開発へ 
生成AI20モデルを建設業務5分野で比較

 ONESTRUCTIONが、建設分野に特化した生成AIの開発・活用に向け、3つの取り組みを相次いで発表した。建設業務における生成AIの性能を比較する「Construction AI Leaderboard」の公開、BIM生成AIエージェント「Ishigaki-BIM(β)」のテスト参加者募集、建設特化型日本語AIモデル「Ishigaki-AEC」のAPI提供である。同社は経済産業省とNEDOが推進する生成AI開発力強化プロジェクト「GENIAC」の第3期・第4期に採択され、建設ドメインに特化したAI基盤モデル「Ishigaki」シリーズを開発している。3つの発表はこうした開発成果を建設業界で活用するための取り組みと位置付けられる。3つの取り組みを連続で紹介していく。第1回目はConstruction AI Leaderboardを取り上げる。

図面理解やBIMデータ編集、IDS作成などベンチマーク化

 ONESTRUCTIONが公開した建設分野の業務に対する生成AIモデルの対応力を比較するWebサイト「Construction AI Leaderboard」は、国内外の商用モデルと公開モデルを合わせた20モデルを対象に図面・資料の理解やBIMデータの編集、積算など5つのカテゴリで評価し、ランキング形式で結果を公開する試み。建設業務に適したAIモデルの選定を支援する狙いだ。Ishigakiの開発を通じて蓄積したモデル評価の知見を生かし、建設実務におけるAIの得意・不得意を可視化する取り組みとなる。

 評価対象は▽BIM情報要件(IDS)の作成▽図面・資料の理解▽BIMデータの理解▽BIMデータの編集▽積算などの建設知識の5分野。IDS生成には独自の「Ishigaki-IDS-Bench」、図面・資料理解には「AEC-Bench」、BIMデータ理解には「IFC-Bench-V2」などを用い、各モデルは共通の評価基盤で同じ手順により評価する。図面からBIMモデルを生成する能力を測る「BIMGenBench」も開発中で、今後、評価カテゴリに追加する予定だ。

 2026年10月時点の総合ランキングでは、Claude Opus 5.5が73.7点、Gemini 4 Argonが73.6点で上位に並んだ。カテゴリ別では首位モデルが分かれ、総合順位が高いモデルがすべての建設業務に強いわけではないことも示された。積算などの建設知識では全20モデルが85点以上を記録した一方、図面・資料の理解やBIMデータの理解ではモデル間の差が大きく、IDS作成も汎用モデルの最高点が63.0点にとどまった。

 サイトでは性能スコアに加え、図面・資料理解の評価を基準とした処理コストや所要時間も比較できる。評価結果は新しいモデルの登場に合わせて更新していく。

 生成AIの選定では、総合的な性能だけでなく、実際に任せたい業務に対する適性を見極めることが重要になる。今回の評価で、積算知識とBIMデータの理解・編集ではモデルの性能に違いが表れたことは、建設分野におけるAI活用の現在地を考える材料となる。

 特にIFCモデルの内容を読み取る能力や、自然言語の指示でモデルを編集する能力を独立した評価軸にした点は、openBIMの実務展開を考えるうえでも興味深い。今後、図面からBIMを生成する評価が加われば、設計情報の入力からモデルの理解・編集まで、AIの対応範囲をより具体的に把握できるようになる。

 今回の結果は公開時点のモデルと評価条件に基づくもので、実際の業務全体を網羅するものではない。ランキングをそのまま導入判断とするのではなく、自社のデータや業務条件での検証と組み合わせて活用することが求められる。

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