建設・不動産分野のデータプラットフォームを提供するゴーレムは、鴻池組と連携し、建設業向けサービス「GORLEM 見積管理」を活用した見積業務の効率化・標準化に向けた取り組みを始めた。実際の見積データや業務フローを基に見積項目の整理や複数見積の比較、数量・金額のチェックなどを検証するもので、両社は見積業務の効率化と判断の属人化抑制を図り、過去データに基づく、より精度の高い見積・査定業務の実現を目指す。

建設プロジェクトの見積業務では、案件や作成者、協力会社によって、見積書のフォーマットや項目の階層、名称、単位、内訳の細かさが異なる。このため見積内容の確認・査定では、発注先の振り分けや数量・金額の整合確認、類似案件との比較などに多くの手作業が発生する。
数量や単価、金額の妥当性判断や概算金額の算出には、過去案件の実績や担当者の経験が必要となりやすい。確認方法や判断基準が担当者ごとに異なるなど、業務の属人化も課題となっている。
GORLEM 見積管理は、異なる形式の見積データを読み取り、項目の階層化や工種・品名の仕分け、表記・単位の標準化を行うデータプラットフォームとなる。整理したデータに項目番号を付与し、統一された構造で蓄積することで、複数の見積や過去案件を同じ評価軸で比較できるようにする。見積間の数量・金額・単価の差異を確認できるほか、建物の用途、構造、規模、延床面積などのプロジェクト情報と見積データを紐付け、単価・歩掛の確認や概算金額の検討にも活用する。
今回の取り組みでは、こうした機能を鴻池組の実務に照らして検証する。今後は、データの整理精度や業務上の効果を確認しながら、鴻池組が持つ見積・積算業務の知見を反映し、単価・歩掛データベースの構築や、概算金額を算出するロジックの標準化を進める方針だ。
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BIMedia目線ーー建設業の見積データは、書式や項目の粒度が統一されていないと、案件をまたいだ比較や実績の再利用が難しい。ゴーレムと鴻池組の取り組みは各社の見積書を共通のデータ構造に整理し、担当者の経験に依存していた判断を、組織で活用できるデータへ転換する試みといえる。焦点は、異なる見積書をどこまで正確に分類・標準化できるかに加え、数量や単価の妥当性を評価する基準をどう整備するか。過去の実績を継続的に蓄積し、積算や概算業務に活用できれば、見積査定の省力化だけでなく、建設費の予測やプロジェクト間の比較分析にもつながる可能性がある。