八千代エンジニヤリングは、豊富なBIM導入支援実績などをもつ建設DXコンサルティング会社のペーパレススタジオジャパン(PLS)の株式を取得し、子会社化した。インフラ分野で培ってきた技術・顧客基盤と、PLSが持つBIMやAIの技術を組み合わせ、業務のデジタル化と生産性向上をさらに進めることが子会社化の狙い。
背景には、AIの急速な進化によって、建設業務そのものの進め方が変わり始めていることがある。これまで建設業界のDXでは紙の図面を電子化したり、個別の業務をデジタルツールに置き換えたりする取り組みが中心となってきたが、生成AIやAIエージェントなどの技術が急速に進展する中で、単なる作業の効率化ではなく、業務プロセスや意思決定そのものをAIと協働する形へ変えていくことが求められている。
八千代エンジニヤリングは現場業務に直結するAI・デジタル技術と、それを実際の業務へ浸透させる専門人材の確保が重要になると判断し、BIMやAIの両分野で豊富な実績を持つPLSとの連携を強化することで建設DXの実装力をさらに高める。
PLSは、BIM導入コンサルを出発点に建設DXプラットフォーム「ArchiSymphony」の開発・提供や、建設分野向けのAI導入・教育などを展開している。特徴の一つがBIMやAIなどを個別の技術として扱うのではなく、複数の技術を組み合わせ、建設業務全体を変革しようというコンサルスキルだ。
ArchiSymphonyでは、BIMを中心にAI、シミュレーション、ロボティクス、知識グラフなど複数の領域を一つのプラットフォーム上で連携させる構想を掲げている。顧客の現場に入り込んでBIM導入を支援する「FDE(Forward Deployed Engineer)」と呼ばれるエンジニアを配置。ベテラン技術者が持つ経験や暗黙知をBIMやAIに結び付け、現場の課題を解決する伴走型のアプローチを取っている。
今回の子会社化では、こうしたPLSの技術と人材を八千代エンジニヤリングの現業部門へ展開する。具体的には、PLSのArchiSymphonyやAIバディの運用ノウハウを八千代エンジニヤリングの業務に取り入れ、生産性向上を図る。逆に八千代エンジニヤリングが長年蓄積してきた土木・建設分野の知見をPLSへ提供し、BIM/CIM×AIコンサルティングのサービス品質を高める考えだ。
八千代エンジニヤリングのプレスリリースはこちら
BIMedia目線ーー見逃せないのは八千代エンジニヤリングが建築領域における豊富なBIMコンサルティング実績を誇るペーパレススタジオジャパンを子会社として迎え入れた点だ。主戦場のインフラDX分野でどうその強みを発揮させていくかも注目したい。建設コンサル業務で蓄積したデータの価値をAIとの結びつけによって最大化していく切り口も気になるところだ。