特集 BIM 教育と資格(1)

グラフィソフトジャパン 
BIMマネージャープログラム

 企業のBIM導入拡大を背景に、BIMの人材育成に力を注ぐ流れが広がりを見せている。独自の社内資格を位置付ける企業もあれば、外部の認定資格や専門トレーニングの活用によってBIMレベルを引き上げようと取り組む企業もある。CADオペレーターの中にはステップアップの一環でBIMスキルを習得する動きも出てきた。BIMの認定資格や受講プログラムを通して、BIM人材づくりのヒントを探る。第一回目はグラフィソフトジャパンのBIMマネージャープログラムにスポットを当てた。


 10週間かけてBIMマネージャーとしてのスキルをオンラインで学ぶグラフィソフトジャパンのBIMマネージャープログラム。2021年から年2回のペースで開催し、これまでに225人が「Archicad BIMマネージャー」の資格を取得している。組織として中核となるBIMマネージャーを位置付け、BIMのステージを引き上げていきたいと考えている企業にとっては最適な資格かもしれない。オンライン受講の手軽さと毎回テストを課せられる緊張感の良さも人気の要因だ。

 この資格は、BIMプロジェクトを円滑に調整するためのマネジメントスキルを重視し、企業のBIM担当者が「BIMマネージャー」にステップアップすることを念頭に受講するケースが多い。openBIMを推進する国際組織buildingSMART International(bSI)が認定する「buildingSMART プロフェッショナル認証」の受講資格を得られる点も受講動機の1つになるだろう。

 カリキュラムは「BIMオフィスマネジメント」「Archicadテンプレート作成」「BIMプロジェクトコーディネーション」と、大きく3つに分かれている。これを10週間(週1回ペース計40時間)かけて学ぶ。受講者には毎週テストが課せられるとともに、受講者同士で構成したグループ課題も点数化され、合計1000点満点中、800点を合格ラインに設定している。毎週きちんと中身を吸収していれば合格できるレベルで、合格率は9割を超えている状況という。仕事の空き時間に講義の復習をする受講者も多い。

 10週間のうち、まず取り組むのは4週間かけてBIMオフィスマネジメントのスキルだ。BIM標準の定義やプロジェクトデータ確認手法、コラボレーション方法などを習得する。buildingSMARTプロフェッショナル認証の受講資格を得られる部分に当たり、いわばBIMマネージャーとしての基礎部分に当たる。

 続いて学ぶArchicadテンプレート作成は、2週間かけてテンプレートの規格検討から規則ルール、属性管理までを習得する。受講者の多くはBIM担当として従事していることから、マネージャーとしてテンプレートの管理方法も含めてスキルを得られるようにしている。

 そして最後の4週間でBIMプロジェクトコーディネーションのスキルを学ぶ。これはまさにプロジェクトを円滑に管理する実践的な部分となり、プロジェクトへの標準導入から、データ戦略設定、複数の部門に渡るコラボレーション方法までBIMマネージャーとしての役割となる。BIMデータ活用の目的を定め、それを実現するための戦略設定を導き出すために必要不可欠なスキルを得られる。

 グラフィソフトジャパンのカスタマーサクセスチームでコンサルティングプログラムマネージャーを務める佐藤貴彦氏は「bSI認定の受講資格を得られる部分よりも、テンプレートとコーディネーションというより実践的な部分を見据えたスキルをきちんと学べる部分に注目してほしい」と呼び掛ける。資格取得後にはBIMマネージャーとして活動できる即戦力を養える点は、他の認定資格との差別化要素の1つになるだろう。

 特に興味深いのは、受講者同士がチームを組む短期グループプロジェクトのカリキュラムだ。受講期間中に2回行われる。皆で話し合いながらプロジェクトのチームセットアップやコーディネーションを行い、BIMプロジェクトのシナリオを描く。チームとして得点を得るため、協力してよりよい成果を目指す流れになり、より実践を見据えたトレーニングの場にもなる。

 受講者に対して最終課題として設定している「BIMマニュアル」策定も見逃せない。受講者が所属する企業を題材にしてマニュアルを作らせる内容になっており、受講後には、この成果を使って自社のマニュアルづくりに入れるきっかけを与えている。佐藤氏は「BIMマネージャーとしての力強い一歩を踏み出せる後押しになれば」と強調する。

 グラフィソフトジャパンのBIMマネージャープログラムは、5月から2026年度前期の受講が始まる。今月20日が受講申し込みの締め切りだけに「興味がある方はぜひ問い合わせてほしい」と付け加える。詳細はこちらから。

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