アトラックラボ(埼玉県三芳町)は、独自のAI自律制御システム「AT-SYNAPSE」とVLM(画像言語モデル)を組み合わせ、建設現場やプラントを自動巡回するレールドローンシステムを開発した。カメラとLiDARで現場を継続的に記録し、AIが施工状況や設備の状態、前回巡回時からの変化を読み取って自然言語で説明する。

システムでは、現場に設置したレール上をレールドローンが定期的に走行する。飛行型ドローンと異なり、同じ経路・位置から繰り返しデータを取得できるため、撮影条件をそろえながら施工の進捗や設備状態を時系列で比較できる。
取得した画像やLiDARデータはAT-SYNAPSEに連携し、VLMが施工対象や資材、設備、作業エリアなどを認識し、前回の巡回データとの比較から、資材の移動や仮設設備の設置・撤去などの変化を抽出する。
建設現場では施工状況の確認や進捗報告などのために担当者が巡回し、大量の写真や映像を記録している一方で、広い現場を定期的に巡回するには時間と人手が必要となるほか、撮影位置が毎回異なると過去の記録との比較も難しい。
今回のシステムでは、レールに沿って一定の経路を走行することで、現場の定点観測を自動化。LTEやWi-Fiを通じて、PCやタブレットからカメラ映像や機体の状態、AIによる解析結果を遠隔で確認できる。レールには市販の30mm角アルミフレームを利用でき、建物や設備の形状に応じて巡回経路を構築する。
今後は、自動巡回スケジュールの設定や変化検出時の通知、記録検索、日報・点検報告書の自動作成に加え、BIM/CIMや施工・設備管理システムとの連携も検討する。
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BIMedia目線ーー今回のシステムで重要なのは「現場を撮影するロボット」から「現場の変化を理解するロボット」へと役割を広げている点だ。従来の現場写真は、記録として残すことが中心だった。今回のように同じ場所を繰り返し撮影し、AIが過去との違いを読み取れば、写真そのものを確認しなくても「どこで何が変わったのか」を把握しやすくなる。将来的にBIM/CIMや施工管理システムと連携すれば現場とデジタルモデルを継続的につなぐ仕組みへ発展する可能性がある。フィジカルAIの建設現場への実装例としても注目される。