八千代エンジニヤリングは、設計者向けAIアシスタント「TERNO(テルノ)」の一般販売を開始した。クラウドストレージ「Box」と連携し、AIを活用して設計・照査業務を支援するクラウドアプリケーションとなり、設計者が手作業で行っていた図面管理や確認作業を自動化し、照査業務全体の効率化を図る。従来の作業に比べ3割ほどの業務効率化を実現するという。

建設コンサルタント業界では、設計内容の誤りや矛盾を確認する「照査」が品質確保の重要な工程となっている。一方で、図面への赤入れや修正箇所の照合作業、図面の版管理などは依然として手作業に依存するケースが多く、多大な時間と労力を要していた。修正を重ねる中で図面ファイルが増え、最新版の管理が煩雑になることも現場の課題となっている。
TERNOは、図面の版管理、AIによる修正差分の自動抽出、類似図面の検索、照査履歴の自動出力、大容量3Dデータの閲覧機能などを搭載し、手作業で行っていた図面管理や確認作業を自動化し、照査業務全体の効率化に結びつける。
20枚の図面を対象とした検証では、従来の作業と比較して約30%の業務効率化を確認した。図面管理や修正確認に要する時間を削減できることで、設計品質の向上や修正漏れ防止にもつながるとしている。

開発ではDX支援を手掛けるコアコンセプト・テクノロジー(CCT)が建設業向けDXで培った知見を生かし、自社の開発基盤「Orizuru」を提供した。AIによる差分抽出や検索機能の開発に加え、大容量3Dモデルを軽快に表示できる軽量3Dビューワーの実装も担当したという。
今後、両社は機能拡充を進め、AIによる設計支援機能の高度化を図る。コアコンセプト・テクノロジーは八千代エンジニアリングの開発パートナーとして継続的に支援し、建設業向けDX事業をさらに強化する方針を示している。
近年、建設業界では生成AIを活用した設計支援ツールが相次いで登場しているが、「TERNO」は設計そのものではなく、設計品質を担保する照査業務にAIを適用した点が特徴といえる。設計図面の品質管理や版管理をデジタル化することで、建設コンサルタント業務の効率化と品質向上を同時に実現する新たなAIソリューションとしても注目されそうだ。
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