首都高技術

道路損傷を走行中に自動検知 
本格導入へAI・画像処理の実証実験スタート

 首都高技術はシャープと共同で、車両で走行しながら道路上の落下物や舗装穴(ポットホール)などをリアルタイムに自動検知する「リアルタイム道路損傷自動検知システム」の実証実験を10月から始める。道路点検の担い手不足を見据え、AIと画像処理を活用して巡回点検の高度化・効率化を図ることが狙い。 2028年度以降、首都高速道路での本格導入を目指す。

予期せぬ交通障害物となる落下物(赤色枠)

 システムは、首都高技術が開発・導入してきた巡回点検支援システム「インフラパトロール(InfraPatrol)」の機能として開発している。車載カメラで撮影した映像をAIで解析し、落下物、ポットホール、舗装の亀甲状ひび割れ、植栽繁茂、植栽による標識の隠れなどを走行中に検知するもので、検証段階では約80~90%の検知精度を確認しているという。

 検知した損傷は、車線や路肩など発生場所に応じて走行映像上に表示するとともに、アラート音でも通知する。検知時の画像、時刻、位置情報はクラウドを通じて管制所などに自動共有。道路管理者が遠隔から損傷の発生状況を把握し、早期対応につなげられる仕組みとした。

 実証実験は2026年10~11月に首都高速道路で実施する。雨天などさまざまな気象・交通環境下での検知精度に加え、損傷の発生位置を正確に把握できるか、検知情報を道路管理者へリアルタイムに通知できるかを検証する。両社は実証を踏まえ、2028年度以降の首都高速道路での本格導入を目指す。将来的には自動運転車両との連携や、全国の自治体・道路管理者への技術提供も視野に入れている。

 インフラパトロールは、車載カメラなどで取得した映像や位置情報を、ウェブブラウザ上のGIS(地理情報システム)と連動させて確認できるシステム。首都高技術は2017年度から開発・導入を進めており、2023年度からシャープとAI・画像処理技術を組み合わせた次世代の巡回点検システムの開発を進めてきた。

プレスリリースはこちら

BIMedia目線ーーリアルタイム道路損傷自動検知は、走行しながら道路の状態をデータ化する試みになる。車載映像から損傷を検知し、位置情報と結び付け、クラウドやGISを通じて管理側へ送ることで、点検データがその場で維持管理の判断材料になる。こうしたデータが蓄積されれば、道路の3Dモデルやデジタルツイン、施工・補修履歴などとの連携も考えられる。現場でデータを取得するだけでなく、取得した情報を次の点検、補修、維持管理へどうつなげるかが重要になっている。その先行事例と言えよう。

記事トレンド把握のため、気軽に押して下さい

トップに戻る

注目コンテンツ