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業界特化型AIが建設DXの新たな潮流 
燈がSaaS導入1,500社突破

 建設業界で生成AIの活用が新たな段階に入ってきた。これまで文章作成や検索支援が中心だったAIは設計や積算、見積、請求書処理など業務そのものを支援する「業界特化型AI」へと進化し、実務への定着が加速している。

 こうした流れを象徴する動きとして、東京大学発AIスタートアップの燈(東京都千代田区)が展開する業界特化型AI SaaSの累計導入企業数が1500社を突破した。建設業をはじめ、製造業や物流業、卸売・小売業、自治体など幅広い分野へ導入が進んでいる。

 近年、ChatGPTをはじめとする生成AIは急速に普及しているが、建設業では専門用語や法令、独自の業務フローへの対応が求められるため、汎用AIだけでは十分に業務へ活用できないケースも少なくない。

 同社はこうした課題に対し、業界ごとの知識や商習慣を学習した「業界特化型AI」を展開している。専門業務に適したUI・UXを備えることで、現場でそのまま利用できるAIサービスとして提供しており、建設業向けには生成AIエージェント「光(Hikari)」や、見積・発注・請求書処理・経費精算・原価管理まで対応する管理業務DXサービス「Digital Billder」シリーズを展開中だ。

 同社によると、2022年7月のサービス開始以降、導入企業は大手ゼネコンやエンタープライズ企業だけでなく、地方の中堅・中小企業へも拡大している。さらに自治体での導入も始まっており、AI活用の裾野は着実に広がっている。

 特徴的なのは、ソフトウェアの提供だけではなく、専任のカスタマーサクセス担当による「活用コンサルティング支援」を組み合わせている点だ。各企業の業務フローや組織体制に合わせてAI活用を提案し、単なるシステム導入ではなく、業務改革や組織への定着まで支援している。

 同社の建設業特化型AIの代名詞である「光」は、一級建築士試験で合格基準点を達成したほか、製造業向けAI「工(Takumi)」も複数の国家試験で合格水準をクリアするなど、専門知識を持つAIとしての実用性を示している。Digital Billder 請求書は、ゼネコン向け請求書受領サービスに関する外部調査で、利用率、サポート親密性、協力会社の賛同度合いの3部門で高い評価を獲得している。

建設DXは「AIを使う」から「AIを業務へ組み込む」時代へ

 建設業界では、人手不足や技能継承への対応を背景に、BIM/CIMやデジタルツイン、点群データ活用などデジタル化が急速に進んでいる。そこへ生成AIが加わることで、設計・施工・維持管理だけでなく、見積や購買、請求処理など管理業務まで含めたDXが現実のものとなりつつある。

 今後は、汎用AIを利用するだけではなく、業界固有の知識や業務フローを学習したAIをどのように企業へ定着させるかが競争力を左右するポイントになる。まさに同社は今後も既存サービスの機能強化に加え、新たな業界特化型AIの開発とコンサルティング体制の拡充を進め、日本の基幹産業全体の生産性向上を支援していくとしている。

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