建ログは、大規模建築現場向けの作業間調整ツール「Con-Sight(コンサイト)」のβ版を公開した。2次元CAD図面上に重機や車両、作業エリアなどを配置し、日付・時間ごとの予定を管理するもので、BIMモデルを前提とせず、現場で使用している2次元CAD図面から利用できる点が特徴だ。利用パートナー企業の募集を始め、現場実装につなげる。

大規模建築現場では、多数の専門工事業者が限られたスペースで作業するため、重機の配置や車両動線、搬入・揚重の時間などを相互に調整する必要がある。安全工程打合せでは、図面上に重機や作業エリア、注意事項などを記した「場面図」が使われているが、紙やスライドツールで作成し、工程表や搬入予定などを別々に管理するケースもある。
Con-Sightは、この場面図を日付や時間の情報を持つデータとして扱い、CAD図面をそのまま取り込み、図面上の配置と作業予定を関連付けることで、翌日の作業間調整から週間単位の重機配置までを一つの環境で管理できる。
調整した重機や車両などの配置からは、安全通路の候補を自動生成でき、担当者が候補を確認した上で、立入制限や作業上の注意事項を追加し、作業予定と安全情報を同じ場面図で関係者に共有することも可能だ。複数日の場面図を切り替えながら、重機や仮設物の配置がどのように変化するかを確認でき、日々の調整だけでなく週間の職員打合せにおける施工計画の検討にも活用できる。
AIとの連携にも対応する。WebMCPを活用し、対応するAI環境からCon-Sightを呼び出し、揚重予定や作業予定をまとめて登録できる。新たなAI環境を用意するのではなく、各社が使い慣れたAIから現場予定を登録できる仕組みを目指している。
今後は、ドローンで撮影したオルソ画像の重ね合わせ、BIMモデルの取り込み、他社ツールとのデータ連携などを予定する。さらに工程、数量、人員、重機、搬入・揚重予定などの条件を比較できる「工事計画シミュレーション」への発展も目指す。
同社は、安全・品質を維持しながら施工管理者を1人減らせる現場運営を開発目標の一つに掲げており、施工管理者1人の年間総費用を同社概算で約1,000万円として、その配置費用の削減につなげる考え。今後、利用パートナー企業と実際の現場で検証しながら、機能や運用方法を改善していく。
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BIMedia目線ーーCon-Sightの興味深い点は、最初からBIMを前提にせず、現場ですでに使われている2次元CADの「場面図」からデジタル化を始めている点だ。建設DXでは、3Dモデルを導入すればすべての業務が効率化するわけではない。特に日々の作業間調整では、「いつ、どこで、誰が、何をするか」を素早く共有できることが重要で、現場にとって必要な情報だけを扱う方が使いやすい場合もある。建ログでは将来的なBIMモデルの取り込みやドローン画像、他システムとの連携も予定している。つまり、2次元の場面図を入口として、日々の施工計画データを蓄積し、将来的にBIMやシミュレーションへ発展させる構想を描いている。現場で使われる2Dデータをどう蓄積し、AIや3Dデータにつなげていくかは、今後の施工DXにおける重要なテーマになりそうだ。
