ODN

韓国発、海洋AIoTスタートアップが日本参入 
AIoTスマートブイと海洋データ基盤展開

 韓国の海洋AIoT企業ODN(オーデン)は、日本市場でのパートナーシップ構築と実証実験(PoC)パートナーの募集を本格化した。グローバルAI/DX共創プラットフォーム「VentroX」への参加を通じ、AIoTスマートブイ「O-XIS」シリーズと、リアルタイム海洋データ・AIプラットフォーム「MetaOcean」を組み合わせ、水産養殖や海洋観測、環境モニタリング分野での活用を目指す。

 同社はハードウェアの設計・開発からクラウド、生成AIによるデータ解析までを一貫して手掛ける。日本では水温上昇や赤潮、貧酸素水塊などによる養殖魚介類の被害が課題となる中、現場の環境データを継続的に取得し、養殖管理や被害原因の分析に活用する仕組みを提案する。

 中核となるO-XISは、アルミ複合素材を採用した環境配慮型のスマートブイで水温、溶存酸素(DO)、pH、塩分、濁度、クロロフィル、藍藻類など最大15項目の水質データに加え、気象、照度、水中騒音などを計測できる。自動ブラシ洗浄システムや防汚コーティングを備え、海洋生物の付着による計測への影響を抑える。通信、センシング、GNSSを統合したSoC基板「ODN-DSP」にはエッジコンピューティング機能も搭載し、通信が途切れた場合でも本体内にデータを保持できる。

取得したデータを活用するのが、海洋データプラットフォーム「MetaOcean」だ。現場向けアプリ「ODN View」では、養殖場の環境をスマートフォンからリアルタイムで監視し、設定した適正環境から外れた場合にアラートを通知する。行政・組織向けのダッシュボードやREST APIでは、ブイの計測値に気象庁などの公共データや衛星情報を組み合わせ、可視化・分析できる。さらに生成AIを統合し、自然言語で養殖環境について質問すると、水温や塩分濃度などをもとに状況を回答する機能も備える。

 日本では、アワビ、ノリ、カキ、サバなどの養殖事業者や自治体の水産試験場を対象に、スマートブイや固定型Smart Boxの導入・実証を提案する。また、海洋・建設・防災分野の既存AIプラットフォームとのAPI連携、ブルーカーボンのモニタリング、赤潮予測モデルなどの共同開発も視野に入れる。

 同社は韓国の自治体や水資源関連機関、大学などへの納入実績を持ち、ベトナムやシンガポールにも展開している。今回の日本参入では、VentroXを通じて水産業界、自治体、大学・研究機関、SIerとの連携を広げる。

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BIMedia目線ーーODNは海洋環境を対象に現場のセンサー情報と公共データ、衛星情報を統合し、AIによる分析や意思決定につなげる。建設分野でも河川・港湾・沿岸施設の維持管理や防災、環境アセスメントなどで、現地の観測データを継続的に取得・活用する重要性が高まっている。リアルタイムの計測情報をAPIで外部システムに連携できる点は、海洋データを個別の監視にとどめず、地域のインフラ管理や環境情報基盤に組み込む可能性を持つ。今後、日本国内の実証を通じて、計測精度や長期運用の信頼性、既存のGIS・防災システムとの連携がどこまで具体化するか注目される。

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