パシフィックコンサルタンツ

社会インフラの修繕計画を数理最適化 
JIJと概念実証スタート

 パシフィックコンサルタンツはJIJ(東京都港区)と共同で、社会インフラ分野の複雑な課題解決に向け、数理最適化技術の実用性を検証する概念実証(PoC)を開始した。老朽化したインフラの修繕・投資計画をテーマに、最適な計画を導き出す技術の有効性を検証する。

 国内では、社会インフラの老朽化に加え、大規模災害の頻発・激甚化も課題となっている。一方で、インフラの維持管理や災害対応に投入できる人員や予算には限りがある。こうした状況では、対象となる施設や工事、予算、期間など、多数の条件を同時に考慮しながら最適な組み合わせを探す必要がある。両社は、こうした複雑な「組合せ最適化問題」に数理最適化技術を活用する。

 PoCでは、JIJが提供する量子・古典ハイブリッド対応の数理最適化プラットフォーム「JijZept」を利用し、老朽化インフラの修繕・投資計画について数理モデルを構築する。最適な計画を求めるとともに計算結果の精度や処理効率を検証する。

 JijZeptはゲート方式やアニーリング方式など、複数の量子・古典計算資源に対応するもので、検証で得られた知見を、将来的な量子コンピュータの活用にもつなげる考えだ。両社はインフラの修繕・投資計画に加え、交通計画、物流計画、広域避難計画などへの適用を進め、社会インフラ分野の意思決定を支援する計算基盤の構築を目指す。

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BIMedia目線ーーパシフィックコンサルタンツとJIJは、AIによる情報生成ではなく、「限られた予算や人員をどこに、いつ投入するか」というインフラ管理の意思決定そのものをデジタル化しようとしている。BIM/CIMや点群などによってインフラの状態をデジタルデータとして把握できても、その先には「どの施設を優先して補修するのか」「限られた予算をどう配分するのか」という判断が残る。数理最適化はこうした膨大な条件を整理し、データに基づいて最適な選択肢を導き出す技術だ。インフラDXが「データを作る段階」から「データを使って意思決定する段階」へ進む中で、量子技術を含む最適化技術がどこまで実務に入り込めるか、今後の検証が注目される。

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