建設業専門経営コンサルティング会社の対話診断オフィスは、AIとの対話を通じて土木構造物の3Dモデルを作成する「AI-CAD」の導入指導をスタートした。全4回・各2時間のコンサルティングを通じ、AIの基礎から専用ツールを使ったモデル作成の仕組みまでを指導するもので、現場監督が施工管理に加えてCADによる図面やモデルの作成にも時間を割いているという課題に着目し、AI-CADによってCADソフトの直接操作を不要にし、現場管理に集中できる環境を目指す。

AI-CADは、構造物の3Dモデル作成から属性情報の付与、関連資料との紐付けまでを、AIへの指示で進める。作業は、構造物に必要な位置を定義してモデルを生成する「ポイント定義」、各ポイントに部材や仕様などの属性情報を付与する「メタデータ付与」、ポイントをまとめて橋脚や桁などの単位にする「アセット定義」、最後に図面や書類、点検記録などを関連付ける「データ紐付け」の大きく4段階に分かれる。
図面寸法を基準に0.001m未満の精度でモデルを作成でき、IFC形式や座標にも対応し、ICT建機のデータとの連携も想定する。積算や施工計画に加え、維持管理情報を含むアセットデータを企業の経営資本と結び付ける考えもあるという。
AI-CADの背景には、3次元モデルの活用を「モデル駆動」から「データ駆動」へ転換する考え方がある。従来は、モデルを作成し、それを見ながら判断する使い方が中心だった。同社は施工現場で日々蓄積される管理情報を主とし、モデルは不足する情報を補うために活用することを提唱する
導入指導は、AnthropicのAI「Claude」の基礎、AIに作業を指示する開発ツール「Claude Code」の使い方、AI-CADの実現方法という順に進める。AIを使った経験のない人も対象とし、オンラインを基本に、必要に応じて出張にも対応する。経営面での活用まで理解してもらうため、経営者と担当者の2人以上での参加を原則とする枠組みとなり、AI-CADの機能を利用するための専用ツール「TenCraft」も提供するという。
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BIMedia目線ーーAIによる3Dモデル生成の価値は、作図時間の短縮だけではない。施工管理で生まれる情報を、モデルや部材、点検記録などと結び付け、積算・施工計画・維持管理へ再利用できれば、現場の記録を企業の継続的なデータ資産へと発展させられる可能性がある。実務への適用には生成モデルの寸法や属性情報の検証、既存データとの整合性、情報更新のルールづくりが欠かせない。対話診断オフィスの取り組みも、AIに作図を任せる範囲と、人が確認・判断する範囲を明確にしながら、現場で使える仕組みとして定着させられるかが焦点の1つとなりそうだ。