仮設足場総合レンタルサービスのアルインコはKK Generation(KKG)と共同で、足場の積算業務を効率化する「(仮称)AI積算」の基本設計・開発を完了した。PDF図面から建物の躯体形状を認識し、足場計画の自動生成から仮設資材の数量算出までを行うシステムで、今後、実際の業務環境での検証を進め、2027年春頃の市場投入を目指す。

システムは、KKGが提供する建設図面・BIMに特化した図面認識・解析技術と、アルインコが足場の設計・積算業務で蓄積してきた専門知識や数量算出ロジックを組み合わせたものとなり、KKGの積算AIを、アルインコの仮設足場の積算業務に特化してカスタマイズした。
処理は4段階で進む。まずPDF図面をシステムに取り込み、AIが図面情報を解析して柱や壁などの躯体形状を認識する。次に認識した形状を基に足場計画を自動生成し、足場を構成する仮設資材の数量を算出して出力する。資材の割り付けには仮想ブロックを用い、生成された足場計画はブラウザ上で確認・修正できる。
足場の積算では、建物の形状や規模に加え、使用する資材や設置条件などを踏まえた判断が必要となる。従来は、図面確認、足場計画の立案、資材数量の拾い出し、データ入力、積算範囲との照合などを人手で進める必要があり、作業負担や数量の拾い間違い、修正による手戻りが課題となっていた。
今回の開発では、KKGが図面認識・解析から足場計画の自動生成、数量積算、出力までのシステム開発を担当し、アルインコが足場計画のルールと数量算出ロジックを提供する。両社は、AIによる図面解析と足場設計の実務知識を組み合わせることで、作業時間の短縮、ヒューマンエラーの削減、積算品質の平準化を目指す。
プレスリリースはこちら
BIMedia目線ーー今回の取り組みは建設図面の認識AIを、足場という専門性の高い仮設計画・積算業務に適用する事例だ。BIMモデルを直接入力する方式ではなく、PDF図面を起点に躯体形状を認識して足場計画と資材数量を導く点が特徴となる。既存の図面を活用できれば、BIMモデルが整備されていない案件でも導入の可能性がある。足場計画は建物形状だけでなく、現場条件や安全上の要件、施工方法なども考慮する必要があり、実運用に向けてはAIが生成した計画や数量をどこまで自動確定できるか、担当者による確認・修正をどう組み込むかが焦点になる。2027年春頃の市場投入に向けた検証を通じて、積算業務のどの工程を自動化できるかが注目される。