スペースデータは、統合技術プラットフォーム「PROVIDENCE」のデジタルツインサービス「DTaaS by PROVIDENCE β版」の開発を進めている。都市空間をデジタル上に再現し、現実の現場では実施が難しい条件の検証や、ロボットなどの実機導入前のシミュレーションを支援する。β版では、NVIDIA のリアルタイム3D開発プラットフォーム「Omniverse」を基盤に、物理演算や気象条件、時間変化を設定したシミュレーションへの対応を予定している。

このサービスは、現実の都市空間を仮想環境に再現し、条件を変えながら影響や対応策を検討するための仕組み。例えばAIロボットの導入に向けた危険環境での事前訓練や、人流を考慮した出店・都市開発計画、防災計画の検討などを活用領域として想定する。現場で実施するには危険やコストを伴う検証をデジタル空間で行うことで、導入前の判断や計画の精度向上につなげることを目指す。
基盤となるPROVIDENCEは、地理空間情報やBIM・CAD、センサー、映像、設備情報などを3D空間に統合し、物理シミュレーションやAI、ロボティクスと組み合わせる技術プラットフォームとなる。データを可視化するだけでなく、条件を変更した際に何が起きるかを検証し、実際の現場での意思決定や自動化に生かすことを目指している。
スペースデータは企業や自治体から、対象エリアや機能の詳細、利用・体験に関する相談を受け付ける方針で。自社の施設や地域で検証できる内容、保有データの活用可能性などを確認し、現在の開発状況と提供範囲を踏まえて活用方法を検討する。
東京を網羅するデジタルツインは現在構築中。今後は対象エリアを日本全国へ広げ、地域ごとの課題をデジタル空間で検証し、その結果を現実の取り組みに反映することを目指すという。
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BIMedia目線ーーデジタルツインの活用は都市や建物を3Dモデルとして再現する段階から、その空間内で条件を変え、実際の現場で起こり得る事象を事前に検証する段階へと広がりつつある。スペースデータが目指すのは都市モデルを単なる可視化のためのデータではなく、物理演算や気象条件などを組み合わせた検証環境として活用することだ。建設分野ではBIMモデルと周辺の都市データ、設備情報などを統合することで設計・施工の検討に加え、ロボットやドローンの運用、災害時の対応計画などへの展開も考えられる。サービスはまだβ版の開発段階であり、想定される用途のすべてが実装済みというわけではない。今後、利用可能なエリアや機能、実際の検証事例がどこまで具体化するかが、デジタルツインを現場の意思決定に結び付けるうえで注目できる。