グラフィソフト

ArchicadとAIの連携を強化 
最新版公開前に26年製品ポートフォリオ発表

 グラフィソフトは、BIMソフト「Archicad」を中心とする2026年製品ポートフォリオを発表した。Archicadの操作性やドキュメント作成機能を改善するとともに、設備設計ソリューションやAI機能を強化するものとなり、設計の初期段階からプロジェクトの遂行まで、データを活用した意思決定と協業を支援する。最新Archicad30が15日に日本初公開される前のタイミングに製品ポートフォリオを明確に打ち出すことは、ArchicadがBIMソフトとして新たなフェーズに入ることを鮮明に打ち出す狙いもありそうだ。

 グラフィソフト最高製品責任者(CPO)のMárton Kiss氏は「優れた建築は、自由な発想と適切な意思決定、そして円滑な協業によって実現される。2026年製品ポートフォリオではデータとAIを活用した新しいワークフローを提供しながら、建築家やエンジニアを創造の中心に据え続ける」と、その意味をを明かす。

 Archicadの改善点には、Windows版のダークモード対応、複数階にまたがる壁の表示改善、ドキュメント作成機能の強化、プロジェクト情報の管理機能の刷新などがある。ナビゲータ構成のカスタマイズや図面ラベル機能の拡張にも対応し、日常的な設計・図面作成業務の効率化を図る。

 設備設計分野では、「MEP Designer」のBIMデータ活用や可視化、AI連携機能を強化する。建築設計者と設備設計者の協業を支援し、専門分野間の情報連携を円滑にすることで、プロジェクト全体の品質向上につなげる。

 AI活用では、初期計画段階の検討を支援するクラウドベースのプラットフォーム「Nemetschek Creator」を提供する予定で、事業の実現可能性や持続可能性に関する分析を支援し、コンセプト段階の設計意図をArchicadのBIMワークフローへ引き継ぐことを目指す。建築設計者だけでなく、開発事業者や投資家など、プロジェクトに関わる複数の関係者が情報を共有する環境として位置付けられている。

 AIによる設計ビジュアライゼーションを支援する「AI Visualizer」や、製品知識・ベストプラクティスの活用を支援する「AI Assistant」も拡充する。AI Assistantでは、ユーザー自身のドキュメントを活用した知識ベースの構築も視野に入れている。さらに、サブスクリプションの選択肢を拡充し、協業機能やAI、可視化などのニーズに応じた利用環境を提供する。

 10月15日午後1時から開催するオンラインイベント「IGNITE Japan 2026」で、最新Archicad30の概要が日本で初公開され、AI活用やBIM図面審査などをテーマに、製品デモや実務者による事例紹介も行う予定だ。参加は無料で、申し込みは「こちら」。

BIMedia目線ーポートフォリオから浮かび上がるのは、AIを単独の作業支援機能として追加するだけではなく、初期計画、BIM設計、設備設計、情報共有をつなぐ方向性が明確に示されている点だ。従来、構想段階で検討した設計意図や事業条件は、詳細設計へ進む過程で改めて整理する必要があった。初期段階の分析とBIMモデルを連携できれば、判断の根拠を後工程へ引き継ぎやすくなる。AIの分析結果を実務に生かすには入力データの品質や判断根拠の確認、関係者間の情報共有が欠かせない。今後は個別機能の性能だけでなく、AIが設計データやプロジェクト情報とどのようにつながり、設計者の判断を支援するかが、BIM環境の価値を左右しそうだ。Archicad30がその流れをきちんと意識していることは間違いなないだろう。

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