DC向けデジタルツイン構築へ

ダイダンとONESTRUCTIONが協業 
Omniverseで熱・気流・電力リアルタイム評価

 ダイダンとONESTRUCTIONは、データセンター向けデジタルツインの構築に向けて協業をスタートした。NVIDIA社のリアルタイム3Dシミュレーションプラットフォーム「Omniverse(オムニバース)」のライブラリを活用することで、BIMを含む設計データとシミュレーションをデジタル空間上で統合し、データセンターの計画・設計段階における検討の高度化を目指す。

 生成AIの普及を背景に、国内ではAI向けデータセンターの需要が拡大している。データセンターではサーバーラックの配置に加え、熱や気流の制御、電力効率など、多数の条件を考慮する必要がある。これらの検討では個別のシミュレーションや設計者の経験に依存する場面もあり、設計段階から複数の条件を統合して評価できる環境が求められている。

 協業では、ダイダンが持つデータセンターの設計・施工に関する知見と、ONESTRUCTIONが培ってきた建設データの統合・活用技術を組み合わせる。具体的にはAIファクトリー向けデジタルツインの構築に用いられるNVIDIA DSX Sim Blueprintなどのアーキテクチャを踏まえ、OpenUSDフレームワークとNVIDIA Omniverseライブラリを活用したシミュレーション統合環境を構築する。

 両社はデータセンターの設計とシミュレーションのワークフローを連携させ、液冷と空冷を組み合わせたハイブリッド型データセンターについて、熱や気流の状態、PUE(電力使用効率)をデジタル空間上で可視化・評価することを想定している。

 ONESTRUCTIONはこれまで、BIMデータの品質管理ソフトウェア「OpenAEC」や建設業向けAI基盤モデル「Ishigaki」、建設データの資産化を支援するAIソフトウェア「Contex」などを展開してきた。今回の取り組みでは、こうした建設データの統合技術をデータセンターの計画・設計領域へ広げる。

 データセンターでは、設備容量の増加や冷却方式の高度化に伴い、建築・設備・エネルギーに関連するデータを横断して扱う必要性が高まっている。設計データとシミュレーションを同じデジタル環境で扱うことで、計画段階での検証を繰り返しながら、より効率的な施設設計につなげることを狙う。

プレスリリースはこちら

BIMedia目線ーー注目したいのは、BIMを、シミュレーションを動かすためのデータとして活用の幅を広げようとしている点だ。データセンターでは建物や設備の形状だけでなく、熱、気流、電力などの情報を組み合わせて検討する必要がある。これらをデジタルツイン上で連携できれば、設計変更が環境性能や運用にどのような影響を与えるのかを、設計段階から確認できる。両社の試みはBIMとデジタルツイン、さらにAIやシミュレーションをつなぐ取り組みといえる。今後、建設DXがデータを作る段階から、データを使って設計を判断する段階へ進む中で、BIMデータをシミュレーションやAIにどう接続するかが重要なテーマになり、その先行事例となりそうだ。

記事トレンド把握のため、気軽に押して下さい

トップに戻る

注目コンテンツ