特集 土木の3次元設計を進展させるために ②

AI連携したアウトカムBIM 
オートデスク テオ・アゲロプロス氏

 日刊建設通信新聞社がオートデスクと共催した建設コンサルタント向けラウンドテーブル「土木の3次元設計を進展させるために」の各セッションを5回連続で紹介する。第2回はオートデスク建築土木業界・戦略本部のテオ・アゲロプロス氏。講演では海外のBIMのトレンドから日本の進むべき方向性を語った。


Forma基盤に粒状データ管理

オートデスク建築土木業界・戦略本部 テオ・アゲロプロス氏

 世界的な建設分野のトレンドは都市化やインフラ更新に加え、新エネルギーや気候変動への対応が広がっている。その中で複雑化するプロジェクトをどう円滑に進めていくかが重要な成長へのテーマになっている。それを実現するデジタル技術基盤への投資は、世界的に広がっている。土木領域でDXの要になるのは、基盤となるBIM/CIMデータであり、先行する企業の取り組みではデジタルツインの流れが色濃く出てくるようになった。

 デジタルツールは、時代とともに変化してきた。CADからBIMに変わり、クラウドの登場でコネクティッドBIMが注目され、そして今、新しい波として、データの粒状化とAIがベースとなるアウトカムベースのBIMという流れがクローズアップされている。

 アウトカムベースとは、プロジェクト早期の段階で最終的に目指すアウトカム(成果)を判断していくものとなる。オートデスクでは3つの柱でこれを実現しようとしている。1つは信頼されるデジタル基盤の構築、2つ目はプロセス間における情報共有の一元化、そして3つ目はプロジェクト情報のガバナンスを確保することだ。

 AIをきちんと機能させるためには、構造化された粒状化データが必要になる。3つの柱を実現する受け皿として、オートデスクでは建設分野向けクラウドプラットフォーム「Forma」を提供し、アウトカムベースBIMの実現を支えていく。Formaによって粒状化データも管理できるようになる。

 この仕組みを使うことで、発注者や施主、設計者など関係者を同じプラットフォームでつなぐことができる。これによって無駄な部分を削除でき、円滑なエコシステムとして具現化できる。日本への投資の1つとして、専用のデータセンターも日本国内に設置した。ローカルでデータを管理できることは公共事業では特に重要である。

 次に来る未来の流れは、人とAIの協業・共創である。現在の仕事の仕方をみると、現在の業務全体を見ると、人が担う業務が65%、機械が担う業務が35%を占めている。その割合が変わり、機械が増えてくる。人が機械に取って変わるだけでなく、むしろ人は価値の作業に集中できるようになる。デザインの提供を考えると、AIの力によってパラメトリックの設計からコンピテーションデザイン、ジェネレーティブデザインの世界に進んでいく。

 これによってもたらされるベネフィットは、人々が分析を行い、自動化を進め拡張していく中で、より効率性を増す。既に海外では成果ベースの設計を実現した例も多くあり、より早い段階でカーボンも分析ができるツールなどもある。エージェント型 AI パートナーのオートデスク・アシスタントに投げかけてコンプライアンスの状況をチェックしてもらう事例もある。土木設計ツール「Civil 3D」やBIMソフト「Revit」でもオートデスク・アシスタントを活用でき、AIを効果的に使うことでより多くの作業を効率化し、同時に品質も向上することができる。

この記事は 建設通信新聞 特集「土木の3次元設計を進展させるために」からの転載です

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