月刊建築技術

10月号の特集は「BIMを役立てる」 
図面審査や情報マネジメントなど多角的に紹介

 BIMを導入する企業が増える一方で「BIMを入れたものの、十分に活用できていない」という課題も浮かび上がっている。建築専門誌「月刊建築技術」の10月号は「BIMを役立てる」ことを特集テーマに設定した。国土交通省が建築BIM推進会議を発足して6年を迎え、今年4月からはBIM図面審査も始まった。BIMをめぐる環境が「導入するかどうか」から「実務の中でどう使い、成果につなげるか」という段階へ移りつつある中、特集ではその先にある課題を幅広く取り上げている。

 特集タイトルは「BIMを役立てる知の整備基盤の探索」。6つの章で構成し、まず「BIMが切り拓く今後の建築生産」や国の推進施策を整理した上で、BIM図面審査制度を取り上げており、制度の概要だけでなく、審査に活用できるBIM、構造設計モデルの対応、BIMデータの一貫性、建築確認申請の事例など、制度を実務側から考える記事構成とした。

 さらに注目したいのが「建築情報マネジメントの今後」だ。ISO 19650、オープンBIM、専門工事会社との共創、建築価値の向上などを取り上げ、BIMを単なる3Dモデル作成の道具ではなく、建築情報を管理・共有し、次の業務につなげる仕組みとして捉えている。

 後半では、BIM活用が進まない要因や解決策にも踏み込む。設計、構造、設備、積算、施工、維持管理まで、それぞれの領域で生じる課題を取り上げるほか、小規模設計事務所でのBIM活用にも触れている。そしてもう一つの特徴が、地域建設会社の事例だ。中小規模の体制での人手不足解消、複数拠点を支えるBIM、プロセスとしてのBIM、手戻りの削減など、BIMを大手企業だけの取り組みにしないための実践例が紹介されている。

 特集発行に合わせ、関連CPDセミナーを10月9日に開く。会場は東京都品川区のKENGI HALL(建築技術セミナースペース)。登壇するのは清水建設の大越潤建設DX基盤部リエンジニアリンググループ長と久米設計の古川智之設計本部医療福祉設計室チーフアーキテクト兼設計推進本部DX室室長の2人。大越氏は「構造設計モデルはBIM図面審査・データ審査にどう向き合うか」について、古川氏は「設計BIMを“やらない”デメリットとは?」をテーマに講演する。

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BIMedia目線ーー興味深いのは、タイトルに「BIMを役立てる」と明確に掲げている点だ。BIMはモデルを作成すること自体が目的ではない。設計、確認申請、積算、施工、維持管理など、それぞれの業務で必要な情報をどう整え、どう受け渡し、どう意思決定に使うのか。BIMの普及が進むほど、問われるのはモデルを作ることから、モデルに含まれる情報を仕事に生かしていくことに移っていく。その意味で特集はBIMの導入方法を解説するだけではなく、導入後に待っている「情報を使うための仕組み」に焦点を当てた特集といえそうだ。ぜひ手に取ってみてはどうか。

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