工学院大学が新設したデジタル構築環境研究センター(DigiBEセンター長・岩村雅人建築学部建築学科教授)は、BIMやAIなどのデジタル技術を実務に活用できる人材を育成する「BIM×AI建築人材養成プログラム」を11月から開講する。建築実務者を対象に、BIM・AIの基礎から業務活用、組織・経営への展開までを体系的に学ぶ全14回のプログラムとなる。建築学部と情報学部が連携するDigiBEセンターの新設によって建築分野の実践知と情報学部が持つAI・データサイエンスなどの知見を融合した建築DXの教育・研究拠点としても注目される。

プログラムは、BIMの基本概念や国内外の動向、ISO 19650などの国際標準に加え、AIの仕組みやデータ活用、業務利用におけるリスクを扱う。全14プログラムの後半では法規のDX、生成AI、AIエージェント、RAG、MCP、設計デザインにおけるAI活用など、現在の建築DXを取り巻くテーマを取り上げる。BIMを経営にどう位置付けるか、DX投資やデジタル経営への活用についても学ぶ点も興味深い。
特に注目されるのが、BIMとAIを個別のツールとして捉えるのではなく、データを起点に設計・施工・経営をつなぐための技術として学ぶ構成だ。単にツールの操作方法を習得する実習型講座ではなく、建築DXを推進するための知識や実務への応用力を身につけることを狙いとしている。
講師は、工学院大学の建築・情報分野の教員に加え、特任教授である日建設計の田哲設計技術部門 テックデザイングループダイレクターや、 特任准教授である日本設計の尾門智志ライフサイエンス部主管など第一線で活動する実務家が担当する。中堅層やプロジェクトを担う実務者、BIM・AIを活用して建築DXを推進したい技術者などを主な対象とし、建築と情報の双方を理解して組織のデジタル化をリードできる人材の育成を目指す。
教育プログラムは約60分×全14回。受講料は13万2,000円(税込)。受講形態はオンデマンド。9月下旬から受講生の申し込みを受け付け、11月下旬から開講する予定だ。
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BIMedia目線ーー企業の目線はBIMに蓄積されたデータをAIでどう活用するかという段階へと関心が移りつつある。プログラムの特徴は、まさにBIMの操作スキルだけではなく「AI」「データ」「法規」「設計」「経営」までを一つのカリキュラムに含めている点だ。今後は特定のソフトを使えるスキルだけでなく、建築実務を理解したうえでデジタル技術を業務や組織の変革につなげられる〝建築デジタル人材〟が強く求められる。工学院大学の取り組みはこうした建築×情報を横断できる人材育成の場として注目されそうだ。
