関電工とArent

電気設備設計を自動化する「VOLDAR」運用 
BIMから幹線設計・図面・計算書の生成

 関電工とArentは、電気設備設計業務の生産性向上と品質標準化を目的に電気設備自動設計システム「VOLDAR(ヴォルダー)」共同開発し、運用を開始した。建築BIMモデルを活用し、幹線設備の概算設計から基本設計図面、技術計算書までを自動生成するもので、概算設計では従来2〜3週間かかっていた幹線根拠図の作成を約1時間まで短縮できる。関電工は今後2年以内に一般的な建築物の電気設備基本設計の大部分を自動化することを目標としており、AIエージェントによる対話型設計支援や施工BIMとのシームレスな連携も検討していく。

 VOLDARは、建物のBIMデータに加え、関電工が蓄積してきた設計ノウハウや法規、施工実績を設計ロジックとして実装したシステム。これまで熟練設計者の経験に依存していた幹線計画や設備容量の算定、図面作成をデジタル化・標準化することで、設計工数の大幅な削減を目指す。

 運用を開始した機能では、建築BIMモデルから建物情報を取得し、3D幹線ルートや幹線設備平面図、系統図、単線結線図、配電盤リスト、技術計算書などを自動生成する。概算設計では従来2〜3週間かかっていた幹線根拠図の作成を約1時間まで短縮できる効果を確認済み。非常照明や誘導灯、コンセント、LAN設備などの基本設計支援機能も搭載しており、法令や設計基準を反映した配置案を自動作成する。

 このほか幹線ルートの長さや方向転換、EPS(電気設備スペース)の選択、部屋用途との適合性などを複数の評価項目として数値化し、建物条件に応じて最適な盤配置や配線経路を自動生成する。生成された設備はBIMオブジェクトとして属性情報を保持し、施工BIMや積算への活用も視野に入れる。避難経路解析による誘導灯配置や、変圧器容量・受変電設備構成の自動選定にも対応するという。

 両社は実プロジェクトでVOLDARを検証し、多階層建物での3D幹線ルート生成や計算書の自動出力など、実務での適用可能性を確認した。今後は発電機やUPS設計支援、電気室レイアウト自動生成、積算システムとの連携など機能を拡充する。

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BIMedia目線ーーVOLDARは「BIMで図面を描く」段階から一歩進み、設備設計そのものを自動化するBIM活用を実務レベルで実現した事例といえる。注目すべきは、関電工が持つ熟練設計者の暗黙知をロジック化し、ArentのBIM自動化技術へ実装した点だ。設備サブコンでは概算設計や幹線計画が属人的な業務として残ってきたが、VOLDARはそのボトルネックに踏み込んだ。今後、建築・設備・施工BIM、さらには積算やAIエージェントまでデータが連携すれば、設計から施工までをつなぐ「設備BIMプラットフォーム」へ発展する可能性もある。

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