「現場には早期にBIMモデルを提供するようにしている」。高砂熱学工業東北支店の原篤士技術生産課課長は現場へのBIM導入を促進するために「われわれ技術生産課の関与度を引き上げて対応している」と強調する。同社では本社・各本支店が目標を定め、BIMの導入現場を拡大しており、その推進役を担う技術生産課(部)が工夫しながら現場と向き合っている姿がある。
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現在六つの現場でBIMを活用している東北支店では、現場の特性を見極め、BIMを導入しやすい現場を選定しながら「現場担当者が一歩前に踏み出しやすい」状況を作り上げている。受注したタイミングで、当該案件を支店としてのBIM導入案件と位置付け、現場所長の着任に合わせてBIMモデルを提供する流れを構築する。「取り組みやすい環境を提供することを心掛けている」と付け加える。
それでも率先してBIMに取り組む現場は少ないのが現状だ。同課でBIM推進の中心的存在として活動する松浦徹昂課長代理は「まだ竣工を迎えたBIMプロジェクトがないが、成功体験を得られれば次への一歩を踏み出す流れが広がってくる」と期待を持っている。東北支店では2026年度に1件、27年度には3件ほどのBIM導入現場が竣工を迎える。「実績が積み重なるにつれ、BIMへの意識も高まりを見せるだろう」と強調する。

東北支店では、25年度から支店配属の技術系新入社員を技術生産課で半年間ほどかけて施工図の書き方やBIMソフト「Revit」の操作方法などを習得させてから現場に送り出す試みを始めており、昨年は5人が対象となった。支店で最大規模となるBIM導入現場のモデリング業務も担当し、このうち2人は、その現場への配属となった。
原氏は「半年間かけてRevitを学んだ効果が現れ、2人の配属後には現場からBIM関連の支援要請が少なくなった」と明かす。別の効果も出ている。現場に常駐するCADオペレーターから2人が施工図の実践的なポイントを伝授され、逆にRevitの使い方を2人からCADオペレーターに教えるシナジーも生まれている。「このようにBIMユーザーを増やしていくことで、会社が目指すBIMの定着と活用の流れがより広がっていく」と考えている。
25年度に取り組んだBIM導入現場は、支店のCADオペレーターが他案件対応のため支援が難しいケースもあった。松浦氏は「BIM支援センター(現・BIM活用推進センター)を軸に全国が連携する枠組みが機能したことで、他支店から協力を得られ、問題なく対応することができた。こうした連携がBIM定着の後押しになる」と強調する。
この記事は 建設通信新聞 特集「BIM2026」からの転載です
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