高砂熱学工業のBIM導入を先導するBIM推進室は、最前線で現場と向き合う各本支店の技術生産部・課にとっての“相談役”でもある。BIMの「定着と活用」を2026年度の重点方針に位置付ける同社では、新規のBIMプロジェクトが大幅に増加する見通しである。蟻川洋祐BIM推進室長は「各支店から現場への支援要請を相談された際も、われわれが対応できるような体制を整えていく」と説明する。

組織規模は、昨年度比6人増に拡充した。これまで施工段階でのBIM活用を軸に進めてきたが、26年度からは設計段階からのBIM活用にもチャレンジすることを踏まえ、設計部門出身者もメンバーに加わった。
振り返れば同社では、21年度に策定したDX戦略の柱としてBIMを位置付けたことを機に、BIM導入の階段を登り始めた。翌22年度にオートデスク社とMOU1.0(戦略的提携に関する覚書)を結び、24年度にはRevitデータを各生産プロセスで共有するためのMOU2.0も締結し、段階的にBIM導入のステージを引き上げてきた。
BIM活用の拡大を推し進める手段として本支店の技術生産部・課と連携した横断組織体制は、現場導入の推進力として機能してきた。4月からは名称をBIM活用推進センターに変更し、人員も昨年度比1.5倍以上に増強した。BIM推進室の村越明徳担当課長は「ポジティブな意識をもってもらおうと専用のステッカーも作り、心を一つにして目標に向かって活動を始めた」と強調する。

BIM活動推進センターが掲げるのは「展開・拡大から定着・活用へ」。26年度は各本支店ともBIM導入率を軸に定着・活用に向けた取り組みを進めている。新築プロジェクトでは25年度の1年間で50件を超える新規導入を達成している。蟻川氏は「BIM定着の広がりを実感している。それをしっかり定着させることがBIM活用推進センターの役割でもある」と思いを込める。
26年度からは設計段階からのBIM導入にもチャレンジする。本支店では、元請け案件として改修工事への展開に力を注ぐ動きも広がりつつある。村越氏は「これまでは『まずはチャレンジしよう』と取り組んできた。これからは『目的を持ってチャレンジする』ステージに入る」と付け加える。
東北支店では、現場配属前の新入社員に対し、半年間かけてRevitの習得を図る取り組みを進めている。関西支店ではCADオペレーターのRevitスキルの向上を図り、現場支援を担う人財として育成する動きがある。本支店ごとBIM定着に向けた独自の試みが広がり始めているのも「BIMの意識が浸透している現れ」と両氏は口をそろえる。
この記事は 建設通信新聞 特集「BIM2026」からの転載です
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