ウィルオブ・コンストラクション

BIM人材のスキル体系化 
PLUS.1、大和ハウス工業と共同開発

 ウィルグループ傘下で建設業界に特化した人材サービスを展開するウィルオブ・コンストラクションはPLUS.1、大和ハウス工業と共同で、BIM人材に求められるスキルや役割を体系化した「BIMスキルマトリクス」を構築した。ウィルオブ・コンストラクションではBIM人材の育成・評価基準として運用を開始しており、技術者のスキル可視化やキャリア形成、企業とのマッチング精度の向上につなげる。

BIMスキルマトリックスのイメージ

 建設業界ではBIMの導入が進む一方、企業や現場によって求められる人材像やスキル水準が異なり、採用時に能力を客観的に判断しにくいという課題がある。特に施工段階でのBIM活用が広がるにつれ、モデル作成やソフト操作だけでなく、施工計画や干渉チェック、設計・施工間のデータ連携など、実務に応じた能力が求められている。

 BIMスキルマトリクスは、大和ハウス工業が設計・施工計画の実務観点からフィードバックや運用フロー、マニュアルを提供し、BIMコンサルティングを手掛けるPLUS.1の知見を加えて構築した。Revit、Navisworks、Autodesk Formaなど主要ツールごとにスキルレベルを定義し、施工計画、干渉チェック、データ連携、モデル管理などを評価する100問超の設問を整備した。外国籍人材を含むウィルオブ・コンストラクション所属のBIM技術者7人を対象に実証検査も行い、有用性を確認したという。

 マトリクスを試用した企業では、求めるスキル水準と外国籍技術者の能力との差を把握でき、BIM操作上の強みや建築知識の課題を個人ごとに可視化した。こうした評価結果を採用時のマッチングだけでなく、教育計画や人材配置にも活用することで、スキルのミスマッチによる労務コストの削減も期待できる。

 今回の取り組みについて、ウィルオブ・コンストラクションの田中謙代表取締役社長は 「まずは当社内で運用しながら検証を重ね、人材育成やキャリア形成支援の精度向上につなげていきたい」と強調、PLUS.1の高木英一代表取締役社長は 「スキルの可視化はキャリアパスの明確化や適正な報酬設計にもつながり、建設業界全体の就労環境改善に波及すると確信している」とし、大和ハウス工業の宮内尊彰技術本部技術戦略部 DX・BIM戦略室長 は「BIMスキルマトリクスの構築が業界全体のBIM人財育成の促進につながり、さらには建設デジタル人財の育成への貢献となることを期待している」と説明する。

 3社は実運用を通じて評価データを蓄積し、スキル定義や評価基準を継続的に改善する。習得した能力を客観的に証明できる仕組みも整え、技術者の適正な評価やキャリア形成を支援する方針だ。

ウィルオブ・コンストラクションのプレスリリースはこちら

BIMedia目線ーーBIMの普及に伴い、必要とされる人材のスキルは単純なモデリング担当者から、設計・施工の業務プロセスを理解しBIMデータを次工程へつなげられる人材へと広がっている。3社の取り組みは曖昧になりがちな「BIMができる」という能力を、ソフト操作や実務領域ごとに分解し、評価可能な形に整理した点に意義がある。スキル評価を実際の人材育成や採用に生かすには、ツールの操作レベルだけでなく、企業ごとのBIM標準や業務プロセスとの適合性も考慮する必要がある。今後、評価基準が社内運用にとどまらず、企業間で共有できる共通言語へと発展するかが注目される。

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