東京海上日動火災保険

「AIロボット保険」提供へ 
稼働停止時の代替人材費用も補償

 東京海上日動火災保険は、フィジカルAIを搭載した自律移動型ロボットを対象とする「AIロボット保険」の提供を始めた。ロボット本体の損害や第三者への損害賠償責任に加え、事故による稼働停止時に必要となる代替人材の人件費や代替ロボットのレンタル費用などを補償する。建設をはじめ、物流、警備、清掃など幅広い分野でAIロボットの導入が進む中、企業が抱える事故や事業継続上のリスクを軽減する狙いだ。

 フィジカルAIの進展により、ロボットはあらかじめ決められた動作を繰り返す機械から、周囲の環境や状況を認識・判断し、自律的に行動するシステムへと発展している。対象となる自律移動型ロボットには、車輪型や4足歩行型、ヒューマノイド型などが含まれる。

 人と同じ空間や屋外など多様な環境で稼働するため、転倒や落下、衝突による機体損害、第三者への対人・対物事故が発生する可能性がある。複数の機器や部品で構成されるロボットは、事故時の修理・交換費用が高額になる場合もあり、ロボットが担う業務の範囲が広がるほど、故障や事故による稼働停止が企業の業務継続に与える影響も大きくなる。

 今回の保険は、主に3つの補償で構成する。自然災害や衝突などの不測かつ突発的な事故に対する修理・交換費用を補償する「機体補償」、ロボットによる対人・対物事故で企業が負担する損害賠償責任を補償する「賠償責任補償」、機体損害が生じた際の代替人材の人件費や代替ロボットのレンタル費用などを補償する「事業継続費用補償」だ。サイバーインシデントに起因する損害は補償対象外で、用途や稼働環境などを確認したうえで引受条件や保険料を個別に設定するという。

東京海上日動火災保険のプレスリリースはこちら

BIMedia目線ーー建設現場では、遠隔操作や自律施工、資材搬送、巡回・点検など、ロボットの活用領域が広がりつつある。特にフィジカルAIを搭載したロボットは現場の状況に応じて自律的に動くことが期待される一方、予測しにくい環境で稼働するため、安全性や事故発生時の責任、停止した場合の代替手段が導入上の課題となる。この保険は機体や賠償だけでなく、稼働停止後の業務継続費用まで補償対象とする点に特徴がある。ロボットを単なる設備としてではなく、現場業務を担う労働力の一部として捉え、その運用リスクに備える仕組みといえる。今後、建設現場での実装が進むにつれて、ロボットの性能や安全管理体制だけでなく、保険を含めたリスクマネジメントの整備も重要になりそうだ。

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