八千代エンジニヤリング

設計者向けAIに赤チェック図面の自動読取機能 
照査登録の作業時間約30%削減

 八千代エンジニヤリングは1、設計者専用AIアシスタント「TERNO(テルノ)」に紙やDocuWorksに記入した図面の赤チェックを自動で読み取る「AI-OCR図面取込み機能」を追加した。手書きの修正指示を指摘事項としてシステムに登録でき、これまで必要だった手入力による転記作業を省く。図面20枚の修正・照査工程を対象とした試算では赤チェックの登録にかかる時間を約30%削減できたという。

左:手書きの赤チェックをTERNOに取り込んだ画面。AI-OCRが検出した赤書き箇所を赤枠で表示。
右:修正後の図面。既存のAI差分抽出機能で変更箇所を表示。

 新機能は、紙の図面に手書きした赤チェックをスキャンしたPDFや、DocuWorks上で赤書きしたデータを取り込むと、AIが指摘箇所の位置と文字を読み取り、図面に登録するもの。DocuWorks形式のデータはPDFに変換せず、そのまま取り込める。

 従来は技術者がTERNOの画面上で指摘箇所を枠で囲み、内容を文字入力する必要があったが、今後はファイルをアップロードして対象図面を選ぶことで登録作業を進められる。同じ図面に複数の赤チェックをひも付けて管理することも可能だ。

 AIの読み取り結果は自動確定されず、認識した文字と元の赤書き部分を切り取った画像が一覧で表示される。技術者が両者を照合し、誤認識があれば修正してから登録する仕組みとした。同社の事前検証では手書きの赤書き文字を約94%の精度で読み取った。登録した指摘事項はTERNOが備える既存のAI差分抽出機能による修正確認や、照査一覧表の自動作成にも活用できる。

 開発の背景には、設計照査の現場で続くアナログ作業がある。照査技術者が図面に修正指示を書き込む赤黄チェックや、修正後の内容を確認する青チェックは、設計品質を確保するために欠かせない。紙の図面を見ながら確認する従来の作業スタイルを維持したい技術者にとって、画面上で直接指摘を入力する方法は必ずしも効率的ではなかった。

 今回の機能は、赤チェックの手順を変えず、システムへの登録をAI-OCRで補うことで、現場の使い勝手とデジタル化を両立させる。TERNOの契約者は追加料金なしで利用できる。

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BIMedia目線ーーTERNOの新機能は、紙の図面を全面的にデジタルへ置き換えるのではなく、技術者が慣れ親しんだ作業を残しながら、データ化に伴う二重入力をAIで解消する。設計照査では指摘内容そのものだけでなく、どの図面のどの位置に、どのような修正指示が出され、最終的にどう対応したかという履歴も重要になる。赤チェックの情報がAI差分抽出や照査一覧表と連携することで、指摘から修正確認までの情報を一貫して扱いやすくなる。AIの認識結果を人が確認して確定する仕組みも、設計品質を担保するうえで重要だ。今後は読み取り精度の向上に加え、蓄積した照査履歴を類似図面の検索や設計ノウハウの共有にどう生かしていくかが注目される。

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