福井コンピュータアーキテクトは、3次元建築CADシステム「ARCHITREND ZERO」を基盤に、住宅設計の業務フローを見直した新システム「ARCHITREND KAI(アーキトレンド・カイ)」を12月16日にリリースする。AIアシスタントや高画質パースのリアルタイム生成、BIM図面審査向けのIFCファイル出力などを備え、設計・提案から確認申請、社内外の情報共有までをつなぐ業務基盤を目指す。

設計機能では、頻繁に使用するコマンドを画面上部に集約し、操作を探す時間や視線移動を減らす。CADの操作方法や建築法規、各種制度に関する一般的な情報を対話形式で確認できるAIアシスタントを搭載することでマニュアルの検索や情報確認にかかる負担を軽減し、設計作業を支援する。
確認申請に向けては、2025年版許容応力度計算への対応や外皮計算図面の精度向上に加え、BIM図面審査向けのIFCファイル出力にも対応する。入出力基準適合誓約書の作成時には図面間の整合性を自動チェックし、申請前の目視確認や差し戻しに伴う手戻りの削減を図る。
AIアシスタントについては一般的な情報提供と確認作業の支援を対象とし、個別案件の適法性を判断・保証するものではないとしており、将来的には設計コネクトクラウドサービス「ARCHITREND ONE」に蓄積された設計データと連携し、図面や建物、部材、案件などの情報を踏まえて回答する仕組みを構想している。
提案業務では、リアルタイムレンダリングエンジン「Unreal Engine」を採用した。外観・内観の高画質パースをその場で生成し、照明や環境光、複数のデザイン案を切り替えて比較できる。設計作業とプレゼン資料の作成を一連の流れに組み込み、顧客との打ち合わせ中に案を比較・検討しやすくする。開発にあたってはシリコンスタジオが技術協力した。

設計データの共有では、ARCHITREND ONEを通じて、営業・積算・工務などの社内部門から協力業者、審査機関まで、必要な情報を共有する。設計データを個人の端末に保存されたファイルにとどめず、企業や関係者が活用できる資産として管理し、設計から施工、将来の維持管理まで一貫して利用できる共通データ環境(CDE)の構築を目指す。
同社は発売に先立ち、新システムを紹介する「A-Styleフォーラム2026」を全国23か所で開催する。
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BIMedia目線ーー住宅設計の効率化ではCADの作図速度だけでなく、法規の確認、申請図書の整合性確認、顧客への提案、社内外とのデータ共有など、設計を取り巻く業務全体を見直すことが重要になる。ARCHITREND KAIはこれらの個別機能の追加ではなく、一連の業務フローとして結び付けようとする点に特徴がある。BIM図面審査に向けたIFC出力や図面間の整合チェック、クラウドを介した設計情報の共有はデータを作成するだけでなく、その後の確認・申請・施工でも再利用するための基盤となる。AIによる情報提供は設計者の判断を補助するものであり、法適合の最終確認に代わるものではない。今後は、設計データの連携範囲を広げながら、情報の正確性や確認責任をどう担保するかも重要になる。
