IFCデータ連携によるopenBIMを提唱する国際組織「buildingSMART International」(bSI)の東京サミットが10月6日から8日の3日間、東京都大田区のベルサール羽田空港で開かれる。世界50か国以上から延べ600人以上が参加する見込みだ。bSI日本支部「buildingSMART Japan(bSJ)」の代表理事に就任した武藤正樹氏と、前代表理事の山下純一氏は「日本のBIMの成果を世界に向けて発信していく」と口を揃える。今年はbSJ設立30周年の節目でもあり、記念式典も同時開催される東京サミットの意義を新旧の代表理事に聞いた。

4月から建築確認申請の新たな枠組みとしてBIM図面審査が動き出した。国土交通省の建築BIM推進会議で建築BIM環境整備部会審査タスクフォースのリーダーも務める武藤氏は「これからが本当のBIMの始まりであり、確認申請へのBIM対応によって建物ライフサイクルを通じてBIMを使うメリットを見いだせる土台ができ、ここを出発点にBIMデータ活用の流れは進展していく」と語る。
山下氏は「近年の国内の動きとしてはオープンデータ3次元都市モデル『PLATEAU』も見逃せない。将来的にはBIM建築確認を経て建物デジタルデータが蓄積され、それが地域のデジタル基盤となっていく」とし、両氏は建築物だけでなくインフラのデータも含めて都市のデジタル化に向けて進もうとしている日本の道筋を「世界に発信できれば」と強調する。
東京サミットは8年ぶりの開催となる。2018年のサミットでは、国土交通省の直轄事業でBIM/CIMの試行が動き出したタイミングでもあり、i-Constructionの動きとともに、日本が土木分野の進むべき道筋を来日したサミット参加者に訴えた。
武藤氏は「今回のサミットでは日本がどういう議論を経てBIM確認申請を実装したかを、きちんと伝えたい」と思いを込める。BIM確認申請、PLATEAU、そしてBIM/CIM原則適用も本格化している。「これら動きは世界の潮流であり、しかも3つとも国が先導して取り組んでいる。そこは各国の参加者にとってとても関心が高い部分になるだろう」と強調する。
東京サミットの開催がbSJ設立30年の節目に合致した点も「大いに意義深い」と両氏は考えている。bSJの前身となるIAI日本は、建築系CADのデータ共有化を目的とする国際組織IAIの日本支部として1996年4月に設立され、2016年7月にbSJに名称を変更した。山下氏は「デジタル化という時代の流れが後押しとなり、その波にBIMが適合することになった。09年のBIM元年を経てbSJの活動も一気に高まった」と振り返る。
武藤氏は「BIM元年以降、会員は着実に増えたが、どちらかと言えばBIMを使うために最新情報を知りたいという目的意識が強い会員が多い印象を持っている。BIMをうまく使うことも大切だが、BIMの標準化について日本としてどういうスタンスを持つべきかについても重要なテーマになる。昔のように皆で議論しながら一体感を持って活動できる組織にしていきたい。今回、東京サミットで日本としての考え方を提示できることは会員の意識改革にもつながる」と期待を持っている。
山下氏は「製造分野はISOの規格化が製品づくりに直結するため、業界として国際標準化への議論に取り組みやすい。建設分野の場合は規格化の影響度合いが間接的であるため、標準化することに対してやや消極的になってしまう部分もある。日本の技術や枠組みが世界標準として位置付けられることは業界自体の発展にもつながる。会員にはそうした前向きな思いを持って活動してほしい。東京サミットがそのきっかけになれば」と呼び掛ける。
日本ではBIM図面審査がスタートし、2029年度からのBIMデータ審査に向かって大きな一歩を踏み出した。武藤氏は「BIM確認申請をきっかけに建築分野のDXを日本としてどう進展させていくかを提示する場にもなる。各国のユースケースと比較検証しながら、未来に向けた議論を展開したい」と、東京サミットを次につながる出発点にも位置付けている。詳細はこちら
この記事は 建設通信新聞 特集「BIM2026」からの転載です