Malme

土木特化の業務プラットフォーム「MAAP」 
AI活用の全社展開を支援

 Malmeは、建設コンサルタントやゼネコンなど土木事業を担う企業向けに、土木業界特化のAI業務プラットフォーム「MAAP(Malme AI-Ready Application Platform)」の提供を始めた。土木図面や設計成果、技術基準、過去案件などの技術資産と社内で開発したAIアプリを一つの基盤に集約し、AI活用の全社展開を支援する。AIを作ることはできても実務で使い続ける仕組みがないという課題への対応を狙ったものとなる。

MAAPの全体構成。アプリケーション層から共通基盤・AI自動化層・データ基盤まで一気通貫提供

 生成AIの普及により、図面解析や過去成果の検索、設計照査、技術提案書の作成など、土木業務へのAI活用が広がっているが、個人や部門単位で試作したAIアプリを全社で継続的に利用するにはセキュリティや権限管理、運用ルール、利用コストの把握などが課題となっている。

 MAAPは、技術者がAIアプリや技術資産を利用する「MAAP Hub」と、管理者・開発者がアプリを管理する「MAAP Studio」で構成する。既に同社は社内でMAAPを運用し、図面解析や社内ナレッジ検索、構造シミュレーションなど複数のAIアプリを同一基盤上で展開している。

 MAAP Hubは図面や設計成果、技術基準、過去案件などの資料と社内で承認されたAIアプリを一つの画面から利用可能。既存のファイルストレージとも連携でき、社内に蓄積された技術資料を移し替えることなくAIによる処理に活用できる。

 MAAP Studioは、AIアプリの登録や動作確認、公開範囲の設定、利用状況の管理などを行うもので、SSOやユーザー・組織・アプリ単位の権限管理、操作ログ、AIモデルの利用量・コスト管理など、全社でAIを運用するための機能を備える。

 土木図面や設計成果などを、工種や構造物、業務工程、成果物との関係性を踏まえてAIが参照できる「土木コンテキスト基盤」も特徴の一つという。各社固有の技術基準や業務ルールを組み込むことで、一般的な生成AIでは扱いにくい土木特有の業務への対応を目指す。

 同社はプラットフォームの提供だけでなく、土木技術者とAI開発チームが対象業務の選定からAIアプリの開発、評価、本番展開、改善、現場定着までを支援する伴走支援型のコンサルティングを強みにしており、建設コンサルタントやゼネコンなどを対象に導入相談にも積極的に対応していく方針だ。

Malmeのプレスリリースはこちら

BIMedia目線ーーAIを組織の技術資産として運用するMalme自身が業務ツールとして使っている成果を外販する形で展開している。生成AIによって業務用AIアプリを作るハードルが下がる一方、企業内に個別のAIが増えれば、誰が管理するのか、どのデータを使っているのか、どの程度利用されているのかといった新たな管理課題も生まれる。MAAPはAI活用を個人の試行から組織的な運用へ移すことを軸にしている点も見逃せない。BIM/CIMの領域でも、今後は3Dモデルそのものだけでなく、設計図書や技術基準、過去の施工・維持管理データなどをAIが横断的に扱う場面が増えると考えられる。AIを賢く使い蓄積データを技術資産化することが、次の土木DXのテーマになりそうだ。

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