ホロラボ

近畿最古の芝居小屋を3Dアーカイブ 
バーチャル空間の体験も実現

 ホロラボは、兵庫県豊岡市出石町にある近畿最古の芝居小屋となる「出石永楽館」の3Dデジタルアーカイブを公開した。地上型レーザースキャナやミラーレスカメラ、ハンドヘルド型レーザースキャナなどを組み合わせ、建物の外観から客席、舞台、舞台下の「奈落」までを3Dデータとして記録。データを活用したバーチャル空間「永楽館VR」を、PCやスマートフォンのWebブラウザから体験できるようにした。

 出石永楽館は、1901年に建設された芝居小屋で、廻り舞台や奈落、花道など明治期の劇場機構が残る。現在も「永楽館歌舞伎」などで利用されている兵庫県指定文化財だ。今回の取り組みでは、写真や図面だけでは伝えにくい「空間そのもの」を3次元データとして保存することを目指した。

 計測には、Leica RTC360による地上型レーザースキャン、α7RVによる約6,000枚の写真撮影、XGRIDS Lixel K1によるハンディスキャンを活用した。取得したデータをフォトグラメトリと3D Gaussian Splatting(3DGS)で処理し、高精度な点群によって建物形状を記録するとともに、3DGSによって光や質感を含む写実的な空間表現を実現している。狭い奈落や楽屋周辺についても、現場の特性に応じて計測方法を使い分けた。

 永楽館VRには、オーストリアのStratum1 GmbHが提供する「Arrival.Space」を採用し、専用アプリをインストールすることなく、Webブラウザから館内を歩くように空間を体験できるのも特徴だ。

ホロラボのプレスリリースはこちら

BIMedia目線ーー3Dデジタルアーカイブを単なる文化財の「記録」で終わらせていない点に注目したい。建物をレーザースキャンして取得した点群や写真は、建築物の形状や状態をデジタル上に残すための基礎データとなる。それを3Dモデルや3DGS、VRなど異なる形式へ展開することで、保存したデータを「見る」「伝える」「学ぶ」といった用途につなげられる。これは建設分野で進むデジタルツインの考え方とも重なる。建物をデジタル空間に再現するだけでなく、現実の建築物とデジタルデータをどのように結び付け、将来の維持管理や改修、教育、観光などに活用していくかが重要になるからだ。特に歴史的建築物では、将来の改修や保存活動に向けた基礎資料として3Dデータを蓄積する意義も大きい。

記事トレンド把握のため、気軽に押して下さい

トップに戻る

注目コンテンツ