飛島建設

トンネルの余掘り・アタリを自動測量 
30分のTS測量作業を約6分に短縮

 飛島建設は、演算工房と共同で、山岳トンネルの掘削面における余掘り・アタリを自動測量するシステムを開発した。トータルステーション(TS)を車両に搭載し、切羽後方から掘削面を測量することで、人手に頼っていた機器の設置から測量、データ処理までの作業を自動化する。従来のTS測量で約30分を要していた作業を約6分で完了したという。

 システムは、車両を所定の位置に設置して測量を開始するだけで、TSの固定や整準、バック点の測量、測量範囲の設定、切羽素掘り面の測量、データ解析までを一連の流れで実施できる。山岳トンネルでは設計された内空断面を確保しながら、余分に掘削する「余掘り」をできるだけ抑えることが求められる。余掘りが大きくなると、掘削ずりや吹付けコンクリートの増加につながり、施工効率やコストにも影響する。

 従来の測量では機器の運搬・設置やバック点の測量、測量後のデータ処理などに時間を要していた。開発したシステムは掘削面を3D点群として取得し、設計断面と比較することで、余掘りやアタリの位置・量を定量的に評価できる。さらに、取得した点群から断面図や展開図を自動作成できるため、測量結果を施工管理へ迅速に反映できる。

 今後は、測量準備からデータ処理・評価までのさらなる自動化や操作性の向上を進め、現場でより容易に利用できるシステムを目指す。取得した測量データを施工管理情報と連携し、掘削精度や施工サイクルの改善に活用するほか、データを継続的に蓄積・分析することで、発破パターンや掘削方法の最適化にもつなげる考えだ。

 同社は、余掘りの削減による施工効率化だけでなく、掘削ずりや吹付けコンクリートの使用量削減による環境負荷低減も目指している。

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BIMedia目線ーー興味深いのは、測量の自動化だけでなく、取得した3D点群を設計断面と比較し、その結果を施工判断につなげるところまでを一連のデジタルフローにしている点だ。トンネル施工では、設計データと実際の掘削形状との差をいかに早く把握し、次の施工にフィードバックできるかが重要になる。システムはTSによる高精度な測量、3D点群、設計断面との比較、自動評価を組み合わせることで、これまで測り、処理し、確認する分断されていた作業を短時間でつなげている。従来約30分かかっていた一連の作業を約6分まで短縮した点は大きい。今後、測量データが蓄積され、発破パターンや掘削方法の改善に活用されれば、「測るためのデータ」から「施工を改善するためのデータ」へと3Dデータの役割が変わっていく可能性がある。

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