AI・ソフトウェア開発のサムテック(大阪市)は、道路橋の点検業務を支援するAI画像解析サービス「Plugbot(プラグボット)」の提供を開始した。スマートフォンで撮影した橋梁の損傷画像をAIが解析し、損傷の種類や程度、健全性判定の推定、判定根拠などを文章化する。自治体や企業などを対象に、無料の実証検証も受け付ける。

道路橋は老朽化が進む一方、点検を担う技術者の不足が課題となっている。従来のAI点検サービスでは専用カメラなどが必要となるケースもあり、導入コストが課題となっていた。
Plugbotは、現場でスマートフォンを使って損傷箇所を撮影するだけで利用できる。AIによる解析は約20秒で、コンクリートのひび割れや剥離、鉄筋露出、漏水のほか、鋼部材の腐食や亀裂などにも対応する。AIとのチャット形式の対話によって撮影状況や部材情報を追加でき、解析結果の精度向上を図れる。自治体独自の点検要領にもRAG技術を活用して対応し、「なぜその判定になったのか」という根拠を文章で示せる点も特徴だ。
解析結果は損傷位置を地図上で確認できるほか、CSVや画像として出力でき、点検記録や報告書作成時の作業負担軽減につなげる。提供開始に合わせて自治体、企業、団体を対象とした無料の実証検証を開始した。実際の点検業務や保有画像を使ってAIの適用可能性を確認でき、検証で得られたフィードバックを今後の判定精度や出力機能の改善に反映する。
同社は2026年5月に国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」への申請も行っており、現在登録待ちとしている。今後は自治体・公共分野への展開を進めるほか、橋梁点検で培った画像解析技術を建物外壁点検や事故車査定などにも展開する考えだ。
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BIMedia目線ーー橋梁点検・診断のAI活用では、すでに複数のサービスが登場しており、NTTドコモなども生成AIとRAGを活用した橋梁診断支援サービスを展開している。Plugbotで注目すべきは高価な専用機器ではなく、スマートフォンを入口にAI点検を現場へ導入しようとしている点だろう。橋梁点検ではAIが損傷を見つけるだけでなく、その結果を位置情報や画像データと結び付け、将来的に3DモデルやGIS、インフラ台帳などと連携できれば、単発の点検支援からインフラのデジタルツイン化・維持管理DXへ発展する可能性がある。熟練技術者の不足が進む中、AIを人の代わりではなく、技術者の目を補う道具として活用する方向性は今後のインフラDXにおいても重要になりそうだ。