オートデスクは、保守・運用管理ソリューションを提供するMaintainX(米国カリフォルニア州サンフランシスコ)を約36億米ドルで買収する最終契約を締結した。今回の買収は設計(Design)、建設・製造(Make)、運用(Operate)までを一体化するオートデスクのプラットフォーム戦略を加速させるものとなり、建設・製造分野で蓄積してきた設計・施工データに、MaintainXが持つ保守・運用データを融合し、設備ライフサイクル全体を通じたデータ活用を実現する狙いだ。
オートデスクは近年、運用領域を強化するため「Autodesk Operations Solutions(AOS)」を立ち上げ、「Autodesk Tandem」「FlexSim」「Fusion Operations」などを展開してきた。今回、設備保守管理プラットフォームを提供するMaintainXを傘下に加えることで、設計から施工、運用、維持管理までをシームレスにつなぐデジタル基盤の構築を進める。
MaintainXは、設備点検や保守履歴、作業指示、設備パフォーマンスなどをクラウド上で一元管理するサービスを世界各国で展開している。日々の保守業務から蓄積される現場データをAIと組み合わせることで、設備の故障予測や予知保全、ダウンタイム削減など高度な運用支援が期待される。
オートデスクのアンドリュー・アナグノスト社長兼CEOは「MaintainXが持つ運用領域の専門知識とコンテキストデータを取り込むことで、AIを活用しながらデジタルとフィジカルの世界をより高度に融合していく」とコメントした。
MaintainXのクリス・トゥルリカCEOは「設計・建設・製造に携わるチームと、設備を日々運用・保守するチームをつなぎ、ライフサイクル全体を通じて顧客の業務を支援していく」として、オートデスクとの連携による事業拡大に期待を示した。
今回の買収によって、オートデスクは設計・施工支援ソフトウェアベンダーから、施設の運用・保守まで含めたライフサイクル全体を支えるプラットフォーム企業への転換をさらに加速させることになりそうだ。
