鴻池組は、トンネル更新工事の独自技術「Reライニング工法」をメタバース上で体験できるコンテンツを構築し、一般公開した。ファンタスティックモーションと共同開発したもので、利用者はインターネット環境があればアバターを操作しながら施工手順や設備の仕組みを自由に見学できる。建設技術を一般にわかりやすく伝えるとともに、インフラ維持管理の重要性を広く発信する狙い。

Reライニング工法は、供用中の道路トンネルを通行止めにすることなく老朽化した覆工を更新できる鴻池組独自の技術である。交通への影響を最小限に抑えながら施工できることから、今後本格化するインフラ更新需要への対応技術として注目されている。
トンネル更新工事は一般の人が現場を見学する機会が少なく、施工内容や技術の価値が伝わりにくいという課題があった。公開したメタバース空間では、専門知識がなくても施工工程や設備の役割を直感的に理解できる構成とし、学生や一般市民にもインフラ維持管理への理解を深めてもらうことを目指している。
利用者はアバターを操作しながら仮想空間内を自由に移動でき、施工設備や工法の流れを自分のペースで見学できる。現地見学会とは異なり、場所や時間に制約されることなく全国どこからでもアクセスできる点も特徴だ。
同社は2022年からメタバース技術の活用を進めており、2025年には国登録有形文化財である旧本店などを再現した「KONOIKE METAVERSE」を公開している。今回の取り組みは、その活動を発展させたものでDX推進担当者や土木技術者とファンタスティックモーションが連携し、企画から制作、公開までを進めた。

メタバースを活用して工事内容を「見える化」することで、建設業界への理解促進や将来の担い手育成、さらにはインフラリテラシー向上につなげたい考えだ。現場見学が難しい遠方の学生や一般市民も気軽に体験できることから、建設業におけるDXや働き方改革の推進にも寄与することが期待される。
今後はReライニング工法にとどまらず、同社が保有する各種施工技術やDX技術についても順次メタバース化を進める方針。さらにBIM/CIMモデルや点群データとの連携による高精度な空間表現や、施工シミュレーション機能の追加を進め、教育・研修や遠隔協議にも活用できるプラットフォームへ発展させる計画だ。中長期的にはデジタルツインとの連携も視野に入れており、インフラ維持管理に関わる発注者、施工会社、設計者など多様な関係者が活用できるデジタル基盤の構築を目指す。
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BIMedia目線ーーBIM/CIMやXR技術を活用した施工支援や教育コンテンツの開発が加速している。鴻池組の取り組みは、メタバースを建設技術の理解促進や人材育成に活用する新たな事例として、今後の展開が注目される。同業他社が追随する動きも出てきそうだ。