竹中工務店と内装工事機械メーカーの爽美(大阪市)は、建築内装仕上げ材の加工アシスト機「i-Bow2」向けに、生成AIとクラウドを活用した施工支援システムを共同開発した。技能工が手書きした加工図をAIが自動でCADデータへ変換し、加工機を制御することで、内装工事のデジタル化と省人化を推進する。

新システムは、クラウド基盤「i-Bow Cloud」と加工用CAD図自動生成アプリ「AI i-Bow」で構成される。技能工が描いた手書き図をスマートフォンなどで撮影すると、画像データがクラウドへ送信され、生成AIが加工用CADデータを自動作成する。その後に独自のCAM技術を通じて加工機「i-Bow2」の制御データへ変換し、ボード材を自動加工する。
従来は専用CADアプリ「YUBI CAD」を使って技能工が加工データを作成していたが、熟練度が求められることや、複雑な形状では作図負荷が大きいことが課題だった。新システムでは、従来から現場で使われてきた手書き図をそのまま活用できるため、CAD操作が不要となり、作業負担の軽減と生産性向上が期待される。
手書き図やAI生成データをクラウド上で一元管理する機能も搭載している。関係者間で加工データを即時共有できるほか、従来の「YUBI CAD」とも連携し、AIが生成したCADデータを編集して利用することも可能とした。UI・UXも改善し、操作性を高めている。
AIは、内装工事の技能工が長年用いてきた独自の手書き記号や図面表現を学習しており、現場の慣習を踏まえた高精度なデータ変換を実現した。一部の記号や寸法表記を標準化することで、解析精度も向上させたという。

システムは2025年9月にオクジューが関東圏の建設現場で初めて導入し、現在も適用範囲を拡大している。爽美は2026年9月から近畿圏で「i-Bow2」のレンタルを開始し、2027年には大規模現場で数十台規模の加工ステーションを展開する計画だ。
竹中工務店と爽美は今後、「i-Bow」を基盤として、施工情報や人員配置までを統合管理するクラウド型施工プラットフォームへ発展させる構想を掲げる。AIやロボット技術を組み合わせることで、建設現場のさらなる生産性向上と品質確保、省人化を実現していく考えだ。
