八千代エンジニヤリング

宮島口の交通混雑対策にAI予測を活用 
混雑緩和時間の予測追加

 八千代エンジニヤリングは道路計画と連携して広島県廿日市市の宮島口地区で進めているAIを活用したリアルタイム道路情報と混雑予測の提供について、従来の週間混雑予測や当日の混雑時間予測に加え、新たにエリアが空き始める時間を知らせる「混雑緩和時間予測」を導入する。

 宮島口地区は、世界遺産・厳島神社を擁する宮島への玄関口であり、観光シーズンには観光客の車両と通過交通が国道2号に集中する。特に、空いている駐車場を探して周辺を走り回る「うろつき交通」が混雑の一因となっている。

 国土交通省中国地方整備局広島国道事務所の委託を受け、2024年から進めている業務となる。宮島口エリアの主な出入口となる国道2号沿いの3交差点にAIカメラを設置し、各地点の流入・流出台数の差分から、エリア内に滞在する車両数を推定する仕組みを構築しており、人手による交通量調査との比較では計測精度はおおむね95%を確保した。推定した滞在台数を基に混雑状況を4段階で表示し、特設サイト「あきのみやじま」や国道沿いの大型LEDビジョンなどで情報を発信している。

 2025年には、過去の来島者数や曜日の並び、天気予報などを基にAIが7日先までの混雑を予測する「週間混雑予測」と、当日朝の滞在台数の増加傾向から混雑開始時間を予測する機能を追加した。土日祝日に実施した効果検証では、特設サイトを確認して宮島・宮島口を訪れた人の約8割が、公共交通機関や高速船への切り替え、パーク&ライドの利用、訪問日や出発・到着時間の変更など、何らかの行動変容に至った。同月の休日は、取り組みを含むソフト対策の実施により、2022年と比べて国道2号宮島口周辺の平均旅行速度が向上したという。

 2026年は、混雑が緩和してエリアが空き始める時間を予測する機能を追加した。出発前には週間予測や当日の混雑開始時間を確認でき、移動中にはリアルタイムの混雑状況、ライブカメラ映像、駐車場の満空情報と合わせて、混雑緩和の見通しも把握できる。情報提供は11月に実施し、週間混雑予測は毎日提供する。

八千代エンジニヤリングのプレスリリースはこちら

BIMedia目線ーーAIによる交通量の把握と予測を、道路利用者の行動変容につなげる実証的な事例といえる。交通状況を可視化するだけでなく、混雑が始まる時間や解消する時間まで予測することで、利用者が訪問時間や交通手段を選びやすくなる。こうした仕組みは観光地に限らず、建設現場周辺の交通管理や物流、都市部の人流・車流の最適化にも応用できる可能性がある。AIカメラなどで取得した現況データを予測モデルに取り込み、その結果を利用者に分かりやすく還元することが、地域全体の交通マネジメントを高度化する鍵となりそうだ。

記事トレンド把握のため、気軽に押して下さい

トップに戻る

注目コンテンツ