ニコン・トリンブルは、東京国立博物館に3Dレーザースキャナ「Trimble X9」、点群処理ソフトウェア「Trimble RealWorks」、3Dモデリングソフトウェア「Trimble SketchUp」を寄贈した。文化財や展示空間、施設設備などを3Dデータとして記録・保存する「文化資産の3Dアーカイブ」の取り組みを支援する。機器やソフトウェアの提供に加え、博物館職員へのトレーニングも実施し、計測からデータ活用までを一貫して行える体制づくりを後押しする。


東京国立博物館では、文化財そのものに加え、建築や展示空間、庭園、施設設備なども含めたデジタルアーカイブ化を進めている。従来、展示記録は写真などの二次元情報が中心だったが、写真だけでは展示物の配置や周囲との関係、高さや奥行きといった空間情報を立体的に残すことが難しい。
3Dレーザースキャニングを活用すれば、展示物だけでなく展示空間全体を立体的なデータとして記録できる。展示替えの前後を比較することで、過去の展示方法や空間構成を保存し、将来の展示計画や研究活動に活用が可能だ。所蔵文化財を海外の博物館などで展示した際にも、現地の展示環境を3Dデータとして記録し、文化財がどのような空間で公開されたかを残せる。

施設管理への活用も計画している。建物や設備の現況を3Dデータとして保存することで、将来の改修計画や維持管理に必要な情報を蓄積できる。東京国立博物館では、施設全体のデジタル化も検討しているという。寄贈された「Trimble X9」で現実空間を計測し、「Trimble RealWorks」で点群データを処理・解析した後、「Trimble SketchUp」で3Dモデルとして活用する流れだ。
同社は機材の提供だけでなく、職員へのトレーニングを通じて技術の定着も支援する。計測データを取得するだけで終わらせず、継続的な記録や研究、施設管理に生かせる体制を整えることも狙いの1つだ。
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BIMedia目線ーー3次元技術の活用が建設・土木分野に限らず、文化財の保存や博物館施設の管理にも広がっていることを示す。重要なのは空間を3D化すること自体ではなく、現況を記録し、必要なときに過去の状態を参照できるデータとして蓄積する点だ。建設分野でも、既存建物を計測して点群データを取得し、BIMモデルや改修計画に活用する取り組みが進んでいる。文化資産のアーカイブと建築分野の既存施設デジタル化には、現実空間を正確に記録し、将来の判断に役立てるという共通点がある。施設情報や改修履歴などと結び付け、長期的に活用できるデジタル資産として管理することの重要性を改めて認識する取り組みでもある。
