ダイテックが提供する建築設備CAD「CADWe’ll Tfas」の電気版を実務で活用するための学習書『実務につなぐ CADWe’ll Tfas電気版トレーニングブック 14E/15E対応』が、2026年9月30日に出版文化社から発売された。著者は建設業界の人材育成に取り組むワット・コンサルティング。CADWe’ll Tfas電気版を初めて学ぶ技術者を対象に、基本操作から実務で使う専門機能までを体系的に解説している。

本書は、建設技術者向け教材「ジョブトレシリーズ」の新刊。全4章で構成され、「第1章 基本操作編」では画面構成や基本的な作図操作、「第2章 設備操作編」では実際に図面を作成しながら実務につながる操作を学ぶ。さらに「第3章 実践操作編」「第4章 専門操作編」では、分割図や外部参照など、現場で活用する機能を取り上げている。
特徴の一つが、単に操作方法を読むだけでなく、実際に手を動かしながら学べる点だ。練習ファイルや完成ファイルをダウンロードして利用できるため、操作を確認しながら電気設備図面の作図を段階的に習得できる。
背景には、建設業界における技術者育成と技術継承の課題がある。ダイテックによると、CADWe’ll Tfasシリーズは2026年7月時点で8万2,000ライセンスを超えており、設計・施工分野で広く利用されている。一方で、ユーザー層の広がりや世代交代に伴い、新入社員や未経験者が早期に操作を習得できる体系的な教材へのニーズが高まっていたという。
建設業界ではBIMをはじめとするデジタル技術の導入が進んでいるが、ソフトウェアを導入するだけで生産性が向上するわけではない。実際に業務で使いこなせる技術者を育成し、組織内で操作やノウハウを共有することが、デジタル化の定着には欠かせない。
本書はBIMそのものを解説する教材ではないものの、こうした「デジタルツールを使える人材をどう増やすか」という課題に対する一つのアプローチといえる。
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BIMedia目線ーー建設DXを考える際、ソフトウェアやAIなど「技術そのもの」に注目が集まりやすいが、現場でデジタル化を進めるうえでは技術を使う人をどう育てるかも同じくらい重要になる。設備分野ではCADによる図面作成の技術と電気設備そのものに関する実務知識の双方が求められる。本書が基本操作から設備操作、実践操作、専門操作までの段階構成を採用していることは、単なるソフト操作教育ではなく、実務への接続を意識した教材設計として興味深い。BIMやAIなど新しい技術が次々と登場する一方で既存のCADを含め、現場で使われているデジタルツールを確実に使いこなす人材を増やすことも建設DXの重要なテーマだ。本書は新しい技術を導入することと人が使えるようになることをセットで考える上でも参考になる一冊といえそうだ。
