スパイダープラスとうるるBPOは、建設会社が保有する紙図面や竣工図書を電子化し、生成AIで活用できるデータ資産へ変換する建設業向けBPOサービスの提供を始めた。大量の紙資料のスキャンからOCR処理、メタデータ付与、ファイル整理までを行い、過去の図面や施工記録を検索・活用できる「AI-Ready」なデータとして整備する。
背景には、建設会社が過去数十年分の竣工図書や施工記録を紙のまま保管しているケースが多く、修繕・改築時の資料検索や、ベテラン技術者が蓄積してきた施工ノウハウの継承が課題となっていることがある。生成AIやRAG(検索拡張生成)の活用が進む一方、必要な図面や技術資料が紙のままでは、AIが参照できるデータ基盤として利用しにくい。
サービスでは、大判図面を含む紙資料を回収し、セキュリティ環境を備えた拠点でスキャンし、OCR処理に加え、図面種別や工事種別などのメタデータを付与した上で、生成AIが参照しやすい形に構造化する。ファイル名の付与規則やフォルダ構成も整理し、「SPIDER+」上で過去の図面や技術資料を検索・参照できる環境を整える。
これにより、修繕・改築工事での資料検索時間の短縮や手戻りの抑制、施主・元請けからの問い合わせへの迅速な対応などを支援する。さらに、デジタル化した資料をクラウドで管理することで、火災や水害などによる情報資産の消失リスクを抑え、BCP(事業継続計画)の基盤強化にもつなげる。
うるるBPOは、累計約3万4000件の受託案件を通じて紙資料の電子化や業務フロー設計などのノウハウを蓄積している。一方のスパイダープラスは建設DXサービス「SPIDER+」を2011年から提供しており、2026年6月末時点で2200社超、約7万8000ユーザーが利用している。両社はそれぞれの電子化技術と建設業務への知見を組み合わせる。
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BIMedia目線ーー紙をPDFに置き換えるだけではなく、過去の図面をAIが使える状態にするところまでを電子化の範囲に含めた。建設DXでは、現在進行中のプロジェクトをデジタル化する一方、過去の施工データや竣工図書は紙のまま残されているケースも多い。これらを構造化し、検索やRAGで利用できるようになれば、過去の施工事例やトラブル対応、修繕履歴などを次の工事や現場の判断に生かせる可能性がある。
