東急建設はNTTソノリティと連携し、建設現場で毎朝行われる危険予知(KY)活動を、音声と生成AIでデジタル化する取り組みを始めた。今年3月から実証実験(PoC)を実施し、紙への手書き記録を中心としてきたKY活動を現場の負担を抑えながら記録と安全管理での質向上につなげられることを確認し、「書くKY」から「話すKY」への転換を図る。

従来のKY活動では、作業前の会話や注意喚起を紙の記録に十分反映できないケースがあり、記録作業の負担に加え、内容の簡略化やデータの蓄積・分析の難しさが課題となっていた。両社は現場での発話を音声AIが自動的に記録・保管することにより、予定外の作業や会話の中で出た注意事項も記録しやすくなったという。
PoCでは、操作性について実施者の満足度が100%となったほか、紙への記入や参加者の確認にかかる時間を削減できるとの評価が得られた。現場からは、従来のKY用紙には記録されない指示や注意事項を残せる点を評価する声も上がった。
記録した音声を生成AIで分析し、危険ポイントの具体性や注意喚起の内容を「ABC判定」で評価する機能も検証した。実施した職長7人全員が、評価によって安全への意識が高まると回答しており、KYを単なる記録作業ではなく、安全意識を高める活動として活用する可能性が示された。
今後は、高騒音環境での音声認識精度や、地下など通信環境が不安定な場所への対応を進める。2026年度中に各現場へ順次展開し、次年度には全現場への導入を目指す。デジタルサイネージなど他システムとの連携も検討する。
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BIMedia目線ーー紙のKYを単純に電子化するのではなく、現場の会話そのものをデータ化しようとしている。生成AIによって記録だけでなく内容の分析まで行うことで、これまで蓄積しにくかった現場の安全情報を、次の安全活動につなげられる可能性がある。建設DXでは、こうした「現場の声のデータ化」も今後重要なテーマになりそうだ。
