JFEエンジニアリングと八千代エンジニヤリングは、道路・橋梁の維持管理を対象とした「工事を含めた道路・橋梁マネジメント手法の構築」を共同提案し、国土交通省の令和8年度「民間提案型官民連携モデリング事業」に採択された。両社は長野県をモデル自治体として道路・橋梁の点検・診断から補修・更新工事までを一体的に管理する新たなインフラマネジメント手法の構築を進める。

全国では高度経済成長期に整備された社会インフラの老朽化が進行している。国土交通省によると、建設後50年以上を経過した道路橋の割合は2024年時点で約39%だが、2034年には約63%まで増加する見込み。自治体では技術職員不足や維持管理予算の制約が深刻化しており、限られた人員で効率的なインフラ管理を実現する新たな仕組みづくりが求められている。
現在は、建設コンサルタントが点検・診断や補修設計を行い、その後に自治体が工事を発注し、施工会社が工事を実施する流れが一般的だが、設計と施工条件の不整合や発注手続きの負担、工事着手までの長期化などが課題となっている。
両社の取り組みは、八千代エンジニヤリングの調査・計画・設計技術と、JFEエンジニアリングが持つ橋梁製作や補修工事の技術を組み合わせ、計画段階から施工までを見据えたマネジメントモデルを検討するもので、既存データを統合したDX基盤を整備し、橋梁の劣化状況や修繕優先順位を客観的に評価する仕組みを構築する。新技術や新材料の活用を検討しながら、工事実施を前提とした補修計画を策定し、自治体の業務負担軽減と維持管理業務の効率化を目指す。
両社は調査成果を活用し、長野県だけでなく他自治体への横展開も視野に入れ、広域で活用できるインフラマネジメントモデルとして整備を進める方針だ。将来的には包括的民間委託だけでなく、PFIなど民間資金や民間ノウハウを活用した事業スキームも見据えており、平常時・災害時を問わず持続可能なインフラ維持管理体制の構築を目指す。
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BIMedia目線ーー注目すべきは、点検・設計・施工を個別最適ではなく、一つのマネジメントプロセスとして再構築しようとしている点だ。インフラDXでは点検データや補修履歴、工事情報をデジタルで一元管理し、優先順位の判断や事業計画へ活用する「データドリブン型維持管理」への転換が重要になっている。建設コンサルタントと橋梁メーカーが計画段階から連携することで、施工性やライフサイクルコストまで考慮した維持管理も可能になる。BIM/CIMやデジタルツインとの連携が進めば、設計から維持管理までデータを活用するインフラマネジメントのモデルケースとして、その成果が全国へ波及するか可能性も秘めているのではないか。