大成建設は、山岳トンネル工事のデータドリブン型施工を支えるデータ基盤「DataPit」を開発し、全国の山岳トンネル工事への展開を開始した。施工データをクラウド上で一元管理するとともにBIM/CIMモデルや施工実績データ管理図(長巻)の自動生成を実現し、従来は月3日程度を要していた資料作成業務を初期設定を除き約5分に短縮する。

山岳トンネル工事では、地山変位計測や切羽観察、ドリルジャンボの穿孔データなど、多様な施工データが日々蓄積される一方、それぞれが個別システムや現場単位で管理されるケースが多く、横断的な活用が課題となっていた。
DataPitは施工データをクラウドに自動収集し、一元管理するデータ基盤となり、同社の現場管理システム「T-iDigital Field」や各種計測システムと連携することで作業所や本社、研究開発部門などが同一データにアクセスでき、データに基づく迅速な意思決定や本社支援型の施工管理を実現する。
特徴の一つは、施工データを横断的に活用できる点だ。地山変位、切羽観察、穿孔データに加え、追加地質調査などの情報も統合管理し、施工状況の把握や技術判断を効率化する。地山変位から穿孔データまでを包括的に統合する取り組みは、業界でも先進的な事例として位置付けられる。

施工実績データ管理図やBIM/CIMモデルを自動生成するWebアプリも開発した。従来はデータ整理から資料作成まで月3日程度を要していた作業が約5分で完了するようになり、資料作成業務の大幅な省力化と生産性向上を実現する。
データ基盤に蓄積された情報はAIによる分析にも活用され、施工データを統合管理することで、将来的には施工支援や予測技術への展開を進め、データドリブン型施工の高度化を目指す。
現在、DataPitは全国の山岳トンネル工事への導入が進められており、モデル現場での運用を通じて機能拡充を図っている。今後は穿孔データや湧水データ、施工サイクルタイムなどをAI分析に活用し、施工計画の最適化や品質向上、生産性向上につなげる考えだ。
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BIMedia目線ーー建設業界ではBIM/CIMの活用に加え、施工データを資産として蓄積・分析するデータドリブン型施工への移行が加速している。大成建設のDataPitは、施工データの一元管理とAI活用を組み合わせることで、山岳トンネル工事のDXを推進する基盤技術として今後の展開が注目される。