船場

独自の「BIM Level 5」提唱 
AIとデータ活用で空間づくりを再定義

 内装・ディスプレイ大手の船場は、内装・空間デザイン業界におけるBIM活用の新たな指標として、独自に「BIM Level 5」を定義した。従来の設計・施工効率化を目的としたBIM活用から一歩進み、AIや各種データを活用した創造的な空間づくりの実現を目指す考えだ。

 近年、建設業界ではBIMの普及が進み、設計・施工段階での情報共有や生産性向上に活用され、内装委・ディスプレイ分野でもBIM導入の動きが拡大している。一方で生成AIやデジタルツインなどの技術進展を背景に、BIMを単なる設計ツールではなく、空間に関する情報を統合・活用するプラットフォームとして捉える動きも広がりつつある。

 こうした潮流を受けて同社は、英国で広く用いられているBIM成熟度モデル(Level 0~Level 3)をベースに、独自に「Level 4」「Level 5」を定義し、BIMが人やデータをつなぐデジタル基盤へと進化する未来像を提示した。

 同社が示すBIM Level 5では、AIがBIMデータと連携し、空間の企画から運用改善までを支援する世界観を描いている。具体的には施主や利用者が自然言語で要望を入力するだけで、AIが過去の設計データや空間データを参照しながら実現可能なデザイン案を生成する仕組みを想定しており、専門的な設計知識を持たない発注者でも空間づくりに主体的に参加できる環境を目指す。

 また、竣工前の段階で、AIがBIMモデルを活用して利用者動線や室内環境をシミュレーションし、光や音、混雑状況などの体験価値を事前に検証することも構想している。従来のCGパースやVRによる見た目の確認にとどまらず、空間利用の質そのものを評価できる点が特徴だ。

 竣工後には施設利用データや売上データ、来訪者属性などをBIMと連携し、AIが分析を行い、レイアウト変更や運営改善策を提案することで、空間を継続的にアップデートしていく仕組みも想定している。

 これらの考え方をまとめた「BIM Level 5から逆算したBIM経営」と題した資料も公開しており、同社はBIMを設計・施工のための情報モデルから、空間の価値を継続的に創出する経営基盤へと発展させる必要性を提起している。建設業界では近年、デジタルツインやAI活用を見据えたBIM戦略の議論が活発化している。同社の提案は建築物そのものではなく「空間体験」を提供する内装・商業施設分野ならではの視点として注目されそうだ。

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