内装ディスプレー会社の船場は、北海道支店の拡張移転に伴う設計工程の効率化にBIMをフル活用した。拠点をまたいで複数の社員が携わり、BIMによる設計とクラウドワークシェアリングを活用したことでデータの一元管理を実現し、担当者ごとの更新箇所をすり合わせる時間の短縮など、業務効率の向上につなげた。11日に移転を完了した支店は、同社の空間づくりのメソッドを体験できるショールーム型オフィスとしても位置付けている。

内装ディスプレー分野は、顧客の思いを形にしていく空間創造のものづくり特性が強いことから、顧客との円滑な合意形成が業務効率化にダイレクトに結び付くため、BIMとの相性が良いといわれている。同社はCDE(共通データ環境)の構築と業務プロセス改革に向けてオートデスクとMOU(戦略的提携)を結ぶなど、成長戦略にBIMを位置付けている。設計職の約8割がBIMを活用し、年間200件近くのプロジェクトに導入しており、内装分野の中でBIMリーディングカンパニーの1社として地位を高めている。
北海道支店の移転では、設計工程の効率化を目的としてBIMを活用した。設計の初期段階から空間の完成イメージや造作物のビジュアルを3次元で具体的に共有できるBIMの利点を生かし、認識のずれによる手戻りを軽減し、合意形成の円滑化に貢献した。

ファサードは共通環境の白壁とトーンを揃え、白の木板を使用したシンプルな空間とし、あえて入口を隠すクローズドな設えとすることで、来訪者の期待感を醸成した。エントランスにはアイキャッチとして、北海道の湖や森林といった雄大な自然をイメージしたシンボリックな造作を道産材で制作した。造作を囲む天井は水面をモチーフとし、水の揺らぎを感じさせる様を表現。北海道で活躍し、地域で貢献する社員をイメージし、木板の間にさし色として青いパネルを組み込んだ。
同社では、これまでも支店のリニューアルに伴い、BIMの活用を積極的に進めてきた。23年12月にリニューアルした九州支店ではBIMワークシェアリングを展開したほか、東京本社や関西支店のリニューアルでもBIM対応を推し進めてきた。
北海道支店はビジネスの中心部である札幌駅南側に位置し、JR札幌駅から地下歩行空間で直結した日本生命札幌ビルの2階に開設した。同社のオフィス専門チームであるCVX戦略室が監修し、オフィスの機能性を高めクリエイティビティを発信する拠点として、培ってきた空間づくりのナレッジを体感してもらえるショールーム型オフィスへと生まれ変わったという。同社はオフィスへの積極的な投資による従業員エンゲージメントや生産性向上を図り、支店のさらなる事業成長を実現していく方針だ。
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