2025年12月の建築BIM推進会議では、日本ERI、ビューローベリタスジャパン、日本建築センター、日本建築総合試験所、グッド・アイズ建築検査機構の5審査機関が4月からのBIM図面審査に向けて建築行政情報センター(ICBA)の確認申請用CDE(共通データ環境)サービス『ArchSync(アークシンク)』を利用することが明らかになった。

国土交通省住宅局の佐々木雅也参事官(建築企画担当)付建築デジタル推進官は「スタート時から全国のどこでも申請の受け皿がある状態にしたい」と呼び掛けていただけに、5機関が参加を表明したことに安堵(あんど)するとともに「BIM図面審査を差別化の一環として捉え、他の民間確認検査機関も積極的に取り組んでもらいたい」と付け加える。
全国33点体制の日本ERIは4月から全拠点で対応する方針を掲げる。今野渉確認企画部長は「全拠点にBIMの経験者を置いている。地方都市ではまだBIMに取り組む申請者が少ない。まずは社を挙げてBIMに取り組む大手企業を中心にBIM図面審査への働き掛けを進め、BIM図面審査の普及に貢献したい」と強調する。
全国10カ所に拠点を構えるビューローベリタスジャパンも4月からの受け入れ体制を構築している。臼井雅登建築認証事業副本部長は「当社の電子申請率は8割を超え、担当者は電子申請の流れに慣れている。CDE上で審査するアークシンクの利活用も心配していない。BIMデータ活用の経験者が10人ほどいる点も安心材料の一つ」と語る。
東京と大阪に拠点を置き、大規模案件を中心に確認検査業務を手掛けている日本建築センターには、既に4月からのBIM図面審査を活用した確認申請の相談が舞い込んでいる。赤丸真弓確認検査部長は「企業から相談されBIMから出力した設計図面を基に審査した実績もあり、これまで携わった約10人の経験者が中心になり対応していく」と強調する。

指定確認検査機関ではERIグループが先行して17年に住宅性能評価センターで初めてBIMデータを活用した確認検査に挑んだ。翌年には日本ERIがBIMのネーティブデータを使った確認申請にも取り組んだ。二村定治確認検査本部長は「当時、既に審査の中で図面とモデルデータとの同一性確認を経験している。これまで多くの企業との連携によって着実にBIMデータ活用の実績を積んできたことからBIM図面審査の枠組みに抵抗感をもつ社員は少ない」と語る。
BIM図面審査では、指定確認検査機関がCDE上に専用サイトを開設し、そこに対象プロジェクトのフォルダーを作成し、消防や適合性判定機関を招待する。各機関が同じデータを参照し同時並行で審査が進むため、審査効率だけでなく透明性も向上する。ただ、指定確認検査機関は料金を支払って、アークシンクを利用するため、そのコストを料金に反映すべきか否かが課題としてある。
ビューローベリタスジャパンの臼井氏は「現時点では手数料の増額をしない方針で対応している」と明かす。料金体系はデータストレージの量に応じた課金制が採用されることが決まったことから、他の審査機関では日本建築センターの赤丸氏が語るように「申請数やデータストレージ量とともに審査の効率化が現時点で未知数だけに慎重に決めていきたい」と考えている。
BIM図面審査は新たな枠組みだけに、申請者、審査者ともに慣れるまで多少の時間がかかり、作業負担が生じる懸念がある。日本ERIの二村氏は「われわれ審査機関側がそうであるように、申請者側も一緒にBIMの未来に向かって、前向きにBIM図面審査に取り組んでもらいたい」と呼び掛ける。
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この記事は建設通信新聞からの転載です
