連載 BIM確認申請元年(4)

BIM図面審査への準備広がる 
実績つくり社内に水平展開

 4月からのBIM図面審査に申請者側はどう対応しようとしているか。国土交通省住宅局の佐々木雅也参事官(建築企画担当)付建築デジタル推進官はBIM導入にかじを切る企業が広がっていることから「BIM図面審査のニーズは一定程度ある」と確信している。先行してBIM導入を推し進めてきた設計事務所やゼネコンでは、既にBIM図面審査への対応を整えている動きが広がっている。


 大規模プロジェクトを中心に新規で年に数十件の建築確認を申請している日建設計では、1年前からBIM図面審査に向けたテンプレート整備などの準備を進めてきた。芦田智之常務執行役員設計技術部門統括は「BIMで取り組む案件は原則全て対応していく。まずは1、2件の実績をつくり、社内に水平展開していく」と明かす。


 100%BIM化を目標に掲げる同社では現在、新築プロジェクトの半数程度でBIMを活用している。近年は意匠系部門の新入社員にBIMを軸にしたデジタル研修を入社後3カ月かけて学ばせるなど、組織としてのBIM対応力を引き上げてきた。「BIMへの抵抗感は薄れている。既にBIMから図面を出力している設計チームも多くあり、スムーズに対応できる」と手応えを口にする。


 BIM図面審査に必要なテンプレートの整備を進めているのは、日本設計も同じだ。吉原和正情報システムデザイン部副部長兼設計技術部BIM支援グループ長は「現在3割程度に達するBIM導入プロジェクトの中から、基本設計から一貫してBIMに取り組むプロジェクトを優先してBIM図面審査の対象案件を選定する。既に2026年のタイミングに合わせて案件の選定に入っている」と説明する。


 同社ではBIMデータから出力した設計図面を確認申請に提出した実績がこれまでに5、6件に達するように、組織設計事務所各社では指定確認検査機関と連携しながらBIMデータ活用を自主的に進めてきた。中にはBIM活用の指定プロジェクトを位置付け、国の動きを見据えながら段階的にBIM確認申請を検証するとともに、維持管理も含めたBIMデータ活用の効果検証に乗り出す組織設計事務所もある。吉原氏は「当社も建築確認のためだけではなく、建築生産プロセスを通してBIMデータを活用していく流れを確立していくことを重視していく」と語る。


 ゼネコン側も準備を整えている。竹中工務店はBIM図面審査への対応を見据えて25年10月に社内の設計モデル作成ガイドラインを改訂した。翌11月には全国の設計グループ長約50人に向けた説明会も実施し、BIM図面審査への準備を呼び掛けた。野口元設計本部設計企画部申請統括は「今後は支店単位での説明会も実施し、全社に広くBIM図面審査の活用を水平展開していく」と強調する。


 同社は20年から指定確認検査機関と連携し、自主的にBIMを使ったデータ審査の試行に取り組んできた。入出力基準(案)が示されてから、直近の案件ではチェックリストのベータ版を審査側に提示する取り組みも検証済み。本支店の設計部門とBIM推進グループが連携する形で「5、6件のプロジェクトでチャレンジし、BIM図面審査の感触をつかむことができた」と手応えを口にする。


 BIM図面審査ではBIMデータがどう入力され、どのように出力しているかを記す入出力基準のチェックリストを提出することで、設計図面との整合性確認を一部省略できる枠組みとなる。入出力基準の精度は29年春のBIMデータ審査につながる重要な取り組みになるだけに、国土交通省の建築BIM推進会議は実プロジェクトの試行・検証に力を注いできた。

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この記事は建設通信新聞からの転載です

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