建築行政情報センター(ICBA)のBIM推進室によると、BIM図面審査を利用したいと考えている申請者と審査者の利用意向度は2025年11月の説明会時点で申請者が63%(271人中172人)、指定機関が70%(73人中51人)に達する。利用意向度はICBAが開いた説明会参加者を対象に調査となり、初回となった同年5月の説明会時点と比べ、設計事務所やゼネコンなどに所属する申請者は5ポイント増、指定確認検査機関に所属する審査者については32ポイントもの大幅な増加となった。

半年間で指定確認検査機関の利用意向度が一気に高まった背景には、BIM図面審査の受け皿となる確認申請用CDE(共通データ環境)サービス『ArchSync(アークシンク)』の利用料金が正式に決まったことも要因の一つにある。審査機関がBIM図面審査を行う場合、アークシンクを利用することが前提になるため、料金水準によっては制度への積極参加が難しくなる。BIM推進室の岩城真調査役は「複数回に渡ってたたき台を提示し、指定確認検査機関などから広く意見を聞き、ようやく一定の理解を得ることができた」と振り返る。
当初は、指定確認検査機関の事業規模に応じた料金設定を提示していたが、データストレージの量に応じた課金制を採用することで最終的に合意した。最初の5ギガまでを年間25万円(税別)の基本料金とし、データ量が増すごとに1ギガ当たり2万8000円(同)を追加していく。
延べ1万㎡の建築物を審査する場合のデータ使用量は指摘対応などを含めおおむね1件2ギガ、戸建ての場合は1件0.32ギガと試算している。指定確認検査機関にとってはアークシンクの利用料金がどの程度の水準に設定されるかを注視してきた。指定確認検査機関の利用意向度が7割に引き上がったことは料金面の理解が一定程度得られた裏返しでもある。

利用意向度調査では、消防同意事務を担う消防機関も前向きな状況であることが浮き彫りになった。25年10月の説明会には関係者194人が参加し、このうちアークシンクを利用したいと答えたのは全体の66%(128人)にも及んだ。指定確認検査機関と異なり、消防機関は同意事務を行う場合に限ってアークシンクの利用料が発生しない。防火・避難に関連した安全確保の確認も3次元モデルで確認できる。BIM推進室の荒川暁郎参事は「消防機関がCDE内で一連の作業を完結できるメリットは大きい」と付け加える。
一方で特定行政庁の利用意向度は伸び悩む。11月の説明会では5月から17ポイント増加したものの、全体の33%にとどまる状況だ。特定行政庁の予算確保に配慮して、アークシンクの利用も10ギガまでは無料に設定されているが、そもそも確認申請数が少なく、年に1件も申請されない場合もあるため、BIM図面審査に対するリアリティーが持ちにくい。BIM推進室の阿部玄調査役は「電子化の環境整備が十分に進んでいない状況がある。アークシンクの機能はBIM図面審査に限らず、手続きの電子化にも活用できる。紙から電子へと仕事の進め方が変わる契機にしてほしい」と呼び掛ける。
指定確認検査機関や特定行政庁の関心事は、年間どの程度の申請数が出てくるか。建築確認のオンライン申請は全体の55.5%に達する。7、8年前は数%にとどまっていたが、一気に電子化の流れが浸透した。ICBAの木下一也前専務理事兼BIM推進室長は「BIM図面審査の申請件数は、29年春に予定されているBIMデータ審査の試金石になるだけに、申請者への周知をさらに呼び掛けていきたい」と力を込める。
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この記事は建設通信新聞からの転載です
