PLUS.1 1周年記念セミナー

高木CEOが「協創」軸に誰もがつながるBIMの思い熱弁

 「社会基盤の一つとして当たり前にBIMが使える世界を構築したい」。そう力を込めるのは、PLUS.1(東京都千代田区)の高木英一CEOだ。2025年7月17日に開かれた同社の設立1周年を記念したセミナー「BIM-PLUS.1 Summit 2025」の冒頭に、今後の歩みについて20分にわたり熱弁した。顧客やパートナーとともに「協創」する二人三脚のBIMコンサルティングを展開する同社の思いを集約した。

高木CEO

 高木氏が掲げるのは「Thinking outside the bim」(枠にとらわれないBIM)。社会基盤としてBIMを位置付けるためには「建設業の中だけでなく、他産業との壁を越えてBIMがつながる」ことが不可欠になる。「当社はBIMデータをビジネス戦略として活用する部分まで含め、トータルにコンサルしていく」と説明する。

 創業時から掲げているのは「継承」「協創」「挑戦」の三つ。企業がこれまで培ってきた技術や伝統を「継承」した上で、ともに新しい枠組みを一緒に「協創」し、常に先を見据えた「挑戦」を繰り返していく。「まさに当社が展開するコンサルティング活動の流れは、この三つで成り立っている」と強調する。

 創業初年度は「挑戦」の連続だった。「かなり無謀な経営目標を立てたが、売り上げ、利益ともなんとか目標数値を達成することができた。1年で20人規模の組織にしたいという目標だけは若干足りなかったが、ほぼ同規模まで組織基盤を構築している。年度後半から経営が安定したことで、設立して良かったという思いを抱けるようになった」と振り返る。

初年度に25社のコンサルティング始動

 1年目だけで25社ものコンサルティングがスタートした。同社は高木氏が戦略設定、大島友延副社長が技術面を統括する両輪の経営体制を確立している。「これは企業がBIMを推進する上でも同じ。技術だけ突き詰めてもうまくいかない。しっかりした戦略に基づき技術を構築しなければ、円滑なデータ連携は成立しない。まさに継承、協創、挑戦はBIMコンサルティングでも欠かせないキーワードだ」

 特に「協創」は、同社のBIMコンサルティング活動における生命線でもある。企業のBIM導入が広がりを見せる中で、顧客の要求や相談は多岐にわたる。企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略に踏み切る中で、その中心にBIMデータを位置付ける流れとなり、建設ライフサイクルを通じて生産プロセスを見直す要求が広がっている。

 「当社だけでは解決できない要求や相談が増えている。より専門的なパートナー企業と連携することで、顧客要求に最適な提案が可能になる」。建築確認では2026年春から図面データ審査、29年春からはBIMデータ審査が動き出す。並行して国土交通省の建築BIM推進会議も円滑なデータ連携の実現に向けた標準化の議論が本格化している。BIMを取り巻く環境が大きな節目を迎えようとしている中で、「標準化」の議論がよりクローズアップされる。

 「標準化を進めないと、当社が目指す産業間をまたぐBIM活用は実現しない。企業連携でも同様だが、標準化の実現にはルール設定が難しい。求められるのは共通認識であり、誰が見ても同じ言葉で理解、判断ができることである。強制力がないと進まないが、あまりにも強引すぎると参加しにくい。そこでわれわれはルール設定の在り方を『ガードレール』に例えている」  

 この考え方は、標準化を進める上で、ガードレールを越えてはいけないという最低限のルールを設定することを意味付ける。「つまり、その範囲内であればある程度の自由度をもって進める枠組みとなり、皆がはみ出さずに進んでいけるようになる」。BIMの標準化ではモデル作成、データ活用、データ連携、そして教育・トレーニングなどが対象になる。標準化に向けた協創のコンサルティングでは「誰が見てもできるという分かりやすさの部分を重要視していきたい」と力を込める。

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