矢作建設工業とMalme

建設DXの共同開発プロジェクト始動 
生成AI活用やデータ基盤構築を推進

 矢作建設工業とMalmeは、2026年6月に締結した資本業務提携に基づき、建設DXを推進する共同開発プロジェクトをスタートした。Malmeのエンジニアが矢作建設の土木部門へ入り込み、現場の課題抽出からシステム開発、実装までを一体的に進める。AI技術やデータ活用を通じて、生産性向上や業務品質の向上を目指す。

プロジェクトで進めている3つの共同開発

 矢作建設工業は、2026年度から2030年度までの中期経営計画で、ICT基盤の構築・活用による付加価値創出と生産性向上をDX戦略の柱に据え、外部パートナーとの連携による生産システム刷新を重点施策として掲げている。DXを継続的に推進するためには、専門人材の確保だけでなく、現場のノウハウを蓄積し改善へつなげる仕組みづくりが課題となっていた。

 共同開発では、Malmeのエンジニアが実際の業務へ入り込み、現場とともにシステムを育てる体制となり、矢作建設独自の地山補強土工法「パンウォール工法」を対象とした情報プラットフォームの構築するほか、積算業務への生成AI活用も行う。

 案件情報や図面、積算データを一元管理し、部門間の情報共有を効率化するほか、将来的にはAIによる類似案件検索や受注分析機能の実装も予定しているほか、工事ごとに異なる条件に対応するため、熟練技術者の判断をAIへ学習させ、複数の積算案を提示するシステムを開発し、積算品質を維持しながら意思決定時間の短縮を目指す。

 グループ会社のヤハギ緑化の基幹業務システムも構築し、見積や受注情報、工事台帳などを一元管理し、入力作業の削減や原価管理の効率化を図る。今後は他部門やグループ会社への展開も見据えている。両社は今後、開発したシステムを実運用しながら継続的な改善を進める。土木部門への水平展開を図り、その後は建築部門やグループ会社へと展開することで、グループ全体のDXを推進する方針だ。

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BIMedia目線ーー注目したいのは、現場にエンジニアが入り込み、業務そのものを設計し直す伴走型DXを採用する点だ。独自工法の情報管理や積算など、企業競争力の源泉となる部分への連携であることも見逃せない。建設DXはBIMやクラウド導入の段階から、データ基盤と生成AIを組み合わせて業務全体を再設計するフェーズへ移行しつつある。両社の共同開発は、その流れを示す実践事例として注目されそうだ。

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